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2014/11/25(火) 00:00

子どもへの住宅資金贈与額564万円 マンション価格上昇の半分賄えるか

投稿者:  牧田司

 子どもの住宅購入時に資金贈与した親の平均贈与額は564万円-アットホームが子どもへ住宅購入資金を贈与した親300名、贈与していない親300名にそれぞれアンケートしたところこんな結果が出た。

 親の平均年齢は64.6歳、子どもは平均2.2名で、平均贈与額564万円を男女別にみると、子どもが男性の場合は616万円、女性の場合は498万円と約100万円の差があった。贈与金額の分布では、「500~600万円未満」がもっとも多く22.9%で、「100~200万円未満」が19.8%、1,000~1,500万円未満」が13.0%、「300~400万円未満」が12.6%と続く。親子が同じ居住地に住んでいるほうが平均額より約100万円高い642万円となった。

 贈与した理由は「より良い生活を送ってほしいから」が41.7%でもっとも多く、「贈与税の非課税制度があるから」は34.0%。「親の義務だと思っている」29.3%、「自分も親から贈与してもらったから」20.3%、「気兼ねなく、子どもの住宅に遊びに行けるから」9.3%などもあった。「老後の世話をしてもらえることを期待して」は5.0%だった。

 親の貯金額は贈与している親は2,339万円、贈与していない親は1,128万円で、1,000万円以上の差があった。親の月収は贈与した親が35.3万円、贈与していない親が33.4万円。

 「贈与しない理由」としては、「自分は自分、子どもは子ども」というのが43.0%、「自分の資金に余裕がなかった」は39.0%。

◇       ◆     ◇

 親の属性が平均値でしか示されていないので、はっきりしたことが分からないが、おおむねこのようなものだろうと思う。贈与する親しない親、少額しか贈与できない親と多額の贈与が可能な親など、贈与にも格差社会が反映されていると思う。

 不幸なのは子どもも同じだ。このところ建築費の上昇でマンションの分譲価格も上昇しており、東京23区内だと564万円の贈与額では20坪のマンション換算で上昇分の半分も賄えない。贈与がなければ普通のサラリーマンは23区で取得するのが絶望的になってきた。年収500~600万円の普通のサラリーマンが無理なく取得できる3,500万円以下のマンションは、千葉、埼玉、神奈川の郊外部でも姿を消しつつあるのが現状だ。

 もう一つ、やや驚いたのが親の月収、生活費の低さだ。月収約35万円で、生活費は約26万円。この差額を預貯金に回し、老後の備えにしたり子どもへの贈与にしたりしているのだろうか。切ない話だ。これを平成の「貧乏物語」と呼んだら失礼か。 

 

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