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2014/11/26(水) 00:00

日本綜合地所「ヴェレーナ木場公園」 木場・東陽町駅圏&同社物件の最高値更新 

投稿者:  牧田司

 

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「ヴェレーナ木場公園」完成予想図

 日本綜合地所が分譲を開始した「ヴェレーナ木場公園」を見学した。同社のマンション坪単価の最高値で、木場・東陽町駅圏でも少なくともバブル崩壊後では最高値と思われる坪単価280万円には心底驚いたが、商品企画は高値更新を納得させるもので、大手デベロッパーのそれをしのぐものだ。

 物件は、東京メトロ東西線木場駅から徒歩7分・東陽町駅から徒歩11分、江東区東陽五丁目に位置する13階建て全36戸。専有面積は61.00~75.60㎡、現在分譲中の住戸(2戸)の価格は4,968万円・4,988万円(60㎡)、坪単価は280万円。竣工予定は平成28年1月中旬。施工は大木建設。11月1日から1期1次20戸の販売が開始されており、これまでに18戸が販売済み。

 現地の用途地域は準工業地域(江東区は23区でもっとも工業系用途の多い区)だが、大通りから一歩入っており、マンション化が進んでいるエリア。徒歩2~3分に都立木場公園と豊住公園がある。

 住戸プランは1フロア3住戸ですべて角部屋タイプ。1住戸に7~8つの窓が付いており、通常の中住戸の開口率が10%くらいなのに対して、ここは約16~24%あるのが大きな特徴。

 モデルルームタイプは68㎡で、間口7.8mのワイドスパン。バスルームを含め窓は8カ所。北側のスカイツリー・豊住公園、西側の木場公園の眺望を確保している。リビング・ダイニングと一体利用ができる約5㎡のオープンエアスペースを設置している。設備仕様は、御影石のキッチンカウンタートップ、食洗機が標準装備。

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◇       ◆     ◇

 木場、東陽町駅圏のマンションは結構見学しているが、「木場公園」と言えば、10年近く前に明豊エンタープライズが分譲して人気になった「シェルズ木場公園」(127戸)がすぐ思い出される。外断熱工法を採用し、東京都が始めたばかりの「マンション環境性能評価」制度で星3つの満点(12個、現在は15個)を獲得した第一号物件だった。坪単価は240万円だった。

 この単価がいかに高かったか。当時、東陽町駅すぐで分譲されていた物件の単価は210万円だった。これだけでも当時の相場と、「シェルズ」のレベルが高かったかが理解されると思う。

 今回、日本綜合地所が分譲する地域の立地条件と建築費の上昇を考慮して、記者は坪単価250万円とはじき出した。ここ10年間で木場・東陽町駅圏の最高値マンションは坪260万円だ。

 販売を担当する入社14年目の同社課長・大竹氏が正直に話してくれた。

 「物件情報を公開したら一挙に3週分の来場予約が入りました。手応えを感じましたが、楽観はできないと思いました。値段を公開していませんでしたし、当社の物件より駅に近いところでこれまで野村さん、三井さん、三菱さんなどが分譲している物件は坪230~260万円。さて、いざ値段をお伝えすると、皆さん、やはりどなたも『安い』とはおっしゃらない。だが、線路際でもない、大通りにも面していないオンリーワンの立地であることは納得していただきました。20戸供給して18戸が成約できたのも立地が評価され、プランが評価された結果。坪単価280万円というのは当社のこれまでの物件でもっとも高い単価です」

 大竹氏が「評価された」というプランはどうか。〝オープンエアスペース(バルコニー)〟と聞いてどのようなスペースのことが分かる方がどれくらいいるだろうか。記者は同社が業界に先駆けて第1号物件を供給したのをよく覚えている。17年くらい昔だ。南武線中野島駅圏で同社は全開口サッシを採用するとともにバルコニー側にウッドデッキを敷くことでリビングとバルコニーを一体利用できる提案を行った。

 興味深かったのは値付けだ。一般的に中高層マンションの値付けは1階部分がいちばん安く、上階に行くにつれ数十万円から数百万円上げていくのが常識だ。ところが、同社は1階部分を中層階より高く設定したのだ。それがものの見事に成功し、1階住戸から売れていった。値付けの常識を同社が打ち破ったのだ。それが今日まで同社の商品企画として生かされている。

 記者は1993年に同社が設立されてからずっと取材を続け、今日に至るまでその歴史を見守ってきた。今回、大手にも負けない商品企画が健在であることを確認し、木場・東陽町駅圏と同社のマンションの歴史を塗りかえる最高値を更新したのがなによりうれしい。

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オープンエアスペース

 

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