安田不動産が12月13日に抽選分譲する「レフィール参宮橋ヒルズ」を見学した。最近はほとんど供給事例がない参宮橋駅圏でヒルトップの一等地、坪単価も超割安の415万円。設備仕様レベルも高い。第1期26戸は即日完売必至と見た。
物件は、小田急線参宮橋駅から徒歩3分、渋谷区代々木4丁目の第2種低層住居専用地域に位置する5階建て(建基法では地上4階地下1階建て)全51戸。第1期の専有面積は43.65~111.65㎡、価格は5,080万~15,980万円(最多価格帯5,080万円・5,380万円・6,580万円・7,780万円)、坪単価は415万円。施工は飛島建設。販売代理は東急リバブル。12月6日から登録申し込みが始まっており、締め切りは12月13日17:00。
現地は旧興銀の社宅跡地。エントランス部分からもっとも高いところまで約6mの高さがある傾斜地に位置しており、建物は内廊下方式で住戸は南向きと北向き。
外構や外観デザイン、設備仕様レベルが極めて高いのが特徴。道路に面した敷地南側の擁壁は石貼り。建物外観の基壇部は御影石、柱のタイルは縦張りとし、バルコニーの室外機を隠すために横ルーバーを配し、バルコニー天井は木目調のシート仕上げ。
住戸内の設備仕様は極力オプション仕様を少なくしているのが特徴。玄関・廊下床、巾木は大理石、キッチン・洗面カウンタートップ・トイレ手洗いカウンターは御影石かフィオレストーンの選択制。キッチンはユーティリティシンクを採用。三面鏡下のモザイクタイルも標準。浴室のカウンターにも御影石を採用。ドア把手は本革巻き仕上げ。
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マンション単価が信じられないくらいどんどん上昇している。このマンションも高値追求するのかと思ったが、そうではなかった。その逆だ。さすが旧安田財閥といいたい。浮利を追わないデベロッパーがあっていい。
実は、この物件の存在は先週、別の取材で参宮橋駅に降りて初めて知った。一等地であるのはすぐわかった。もともとこの街が好きで、ひょっとしたら単価は500万円くらいするのではないかと思った。
モデルルームで同社の開発事業本部開発第四部第一課課長代理・渡辺淳氏に単価を聞いてその安さにびっくりした。確かに北向きの住戸の3階部分あたりまでは日照や眺望が期待できず単価は400万円以下というのは納得できるが、南向き住戸は、立地の希少性、設備仕様レベルの高さからいって坪500万円の価値は十分ある。
第1期26戸にはほとんど登録が入っており、抽選になる住戸もあるという。即日完売すると見た。
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正直に言うと、記者はもともと芙蓉グループが好きだ。マンション、ビルも(RBA野球も)トップグループから離されているが、欲を出さずマイペース。たまにドジも踏むが時としてとんでもないヒットも飛ばす。そんなところが憎めず好きなのだ。
同社もマンションの供給は多くないが、「ワテラス」では老舗の存在感を示した。今回の「参宮橋」は、新しいマンションブランド「レフィール」にしてから11棟目の物件で、ロゴ・デザインも一新したそうだ。どこかの一流ホテルに似ており、しっかり造りこみを行っているのにもその意気込みが伝わってくる。「参宮橋」のランドマークになるのは間違いない。
参考までに。芙蓉を含むみずほグループのデベロッパーの直近の売上高は同社が350億円、東京建物が2,300億円、ヒューリックが1,084億円、大成有楽不動産が1,037億円、日本土地建物が732億円。トータルで約5,500億円。野村不動産ホールディングスと同じくらいだ。