RBA OFFICIAL
 
2015/01/08(木) 00:00

東京建物 5棟目のサ高住「大森西」開業 中長期的に50棟目指す

投稿者:  牧田司

1.建物外観.jpg
「グレイプス大森西」

 東京建物グループは1月8日、東京建物シニアライフサポートが介護サービス(居宅介護支援・訪問介護)を提供する初のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「グレイプス大森西」の現地案内会を開き、1 月17 日から開業すると発表した。12月から募集しており、7区画に申し込みが入っている。

 「グレイプス大森西」の主な特徴は、①24時間365日、介護スタッフが常駐②入居者をサポートする〝もう一人の家族〟のコンシェルジュ③各部屋に設置したセンサーによる最新型の見守りシステム④家庭の味を大切にした現地調理で提供する食事サービス⑤分譲マンション「Brillia」準拠の設備・仕様⑥終身建物賃貸借と入居一時金不要の賃貸方式-など。

 発表会に臨んだ東京建物シニアライフサポート・加藤久利社長は、「2009年にサ高住の第一弾『グレイプス浅草』の営業を開始して以来、やさしい手などの外部オペレーターに依存してきたが、これからは外部オペレーターとコンソーシアムを組んでより質の高いサービスを提供することで顧客満足度を高めていく。当社グループは高齢者向け住宅事業を重点分野と位置付けており、今後、中長期的には50棟(今回の物件で5棟目)を目指す」などと話した。

 物件は、JR 京浜東北線蒲田駅から徒歩13分、大田区大森西七丁目に位置する5階建て全56戸(ほかに訪問介護事業所・居宅介護支援事業所)。専用面積は18.60~53.67㎡、月額賃料は127,000~383,000円。管理費は15,000円(浴室あり)・20,000 円(浴室なし)。基本サービス(税込)は37,800円(1人入居)・54,000円(2人入居)。食費(税込)は朝食:540円昼食:756円夕食:864円、3食30日分:64,800円。事業主は東京建物、貸主は東京建物不動産販売、運営受託は東京建物シニアライフサポート。設計・監理はINA 新建築研究所。施工は古久根建設。

◇       ◆     ◇

 同社グループのサ高住事業が軌道に乗り、いよいよ加速度を高めるようだ。サ高住は〝玉石混淆〟と言われるが、同社は「サ高住」「有料老人ホーム」双方を検討している顧客のニーズを幅広く取り込む戦略で、居室面積を広くしたり、サービスを充実させたりして差別化を図っていく。

 今回の物件では、敷地に制約があり、サ高住の適正規模といわれる60~70戸を確保するため約18~21㎡のコンパクト住戸を36戸設けているが、一方でニーズが高い広めの約35~53㎡の住戸も5戸設置しているのが特徴だ。

 有料老人ホーム・サ高住事業は、積水ハウスなどのハウスメーカーが積極的に取り組んでおり、デベロッパーでは東急不動産グループ、オリックス不動産グループ、NTT都市開発グループなどが力を入れている。

 今後は、入居者の資産管理・運営、所有建物の空き家管理・処分、土地の有効活用などの周辺事業も期待される。どこが抜け出すか。

5.グレイプスホール上段.jpg 9.共用浴室.jpg
「グレイプスホール」(左)と共用浴室

◇       ◆     ◇

 現地案内会には、やさしい手から出向している東京建物シニアライフサポート取締役介護運営部長の小林新吾氏も同席していた。記者は「外から入ってこられてデベロッパーの印象はどうですか」と聞いた。小林氏はすぐさま「お客さま第一主義を貫かれている点ではデベロッパーらしくないかもしれませんが、すべての事業もこれが一番大切。全然違和感はありません」と答えられた。

 この答えには記者もびっくりしたが、コツンと胸に響くものがあった。東建を30数年間取材してきているが、まさに〝デベロッパーらしくない〟のが同社の特徴だ。みんなおっとりしている。時には他社の後塵を拝することもあるが、長い目でみればこの姿勢がもっとも必要なことかもしれない。

 ついでにもう一つ。見学会は業界紙記者向けだけでなく、証券会社のアナリスト向けにも行っており、こちらのほうは業界紙向けより多い約30人が参加したという。アナリストは机上の計算しかしないと思っていたが、大間違いだ。ごめんなさい。

 13.洋室(110号室).jpg
25㎡の居室(浴室なし)

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン