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2015/01/16(金) 00:00

住友林業が三井物産を抜き3位に上昇 わが国の社有林面積

投稿者:  牧田司

四国 愛媛県 社有林①遠景.jpg
住友林業の愛媛県の社有林

 住友林業グループが保有する社有林は45,808ha(2014年3月末時点)にのぼり、2007年から7年間で東京ドーム約1,060個分の約5,000haを増やしていることが分かった。三井物産が保有している社有林は約4.4万haで、国内の社有林保有面積で住林グループが三井物産を抜き、4位から3位に上昇した。

 同社ホームページによると、同社は海外でも約20万haの山林を管理。2013年度は国内で44,333m3、海外で1,163,320m3の木を伐採。伐採された木は製材・加工され、住宅や家具などの製品として供給されている。

◇       ◆     ◇

 同社がその都度発表してこなかったこともあるが、記者は同社がこれほど社有林を増やしていたことを知らなかった。2011年、同社に聞いたときの社有林面積は約4.2万ha(この数字は2007年公表数字で、実際は4.3万haくらいだったようだ)で、三井物産の約4.4万haに次いで4位だった。現在は、2014年3月末時点の数値として45,808haをホームページで公表している。一方の三井物産は2011年当時から現在まで約4.4万haの数値に変更はない。

 知らなかったのは記者の取材不足。昨年の不動産協会・FRK合同新年賀詞交歓会で同社執行役員・町野良治氏が「森林・林業の再生のためにリーダーシップを取る。それが我々の使命だ。中長期的には世界に視野を広げて山林所有を増やし、わが国の山林王になるのが夢」と語ったのを思い出した。きちんとフォローすべきだった。

 「山林王を目指す」というのは大風呂敷ではないようだ。1年間に1,000haを増やしていけば、現在約19万haを所有する王子製紙を抜くのは絶望的だろうが、約9万haを所有する2位の日本製紙には30年後くらいには追いつく。「愚公、山を移す」という言葉もある。

 わが国の森林・林業の荒廃がどんどん進行しており、このままでは深刻な事態を招くと警鐘が鳴らされている。住林と同じようにハウスメーカー・デベロッパーには社有林を所有し増やし、森林・林業の再生に取り組んでほしい。

 日本不動産研究所の調査によると、わが国の10a当たり山林素地価格は用材林地が4万9288円(平成23年)と破格の値段だ。売り上げの0.1%でいいから山林の購入・管理費に充当すればどれだけの山林が救われるか。自らが管理できなければ、その金額分を「ふるさと納税」するのもいいのではないか。山林を所有・管理する会社が評価される時代になってほしい。

四国 愛媛県 社有林②.jpg
住友林業の愛媛県の社有林

 

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