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2015/02/13(金) 00:00

中央住宅 同社初の再開発「春日部」 「スタッフの目の色が変わってきた」金児氏

投稿者:  牧田司

 ポラスグループの中央住宅がグループ初の市街地再開発に事業協力者として参画することが決まった。埼玉県春日部市の「春日部中央一丁目再開発事業」で、昨年10月、再開発準備組合の臨時総会で同社とフジタが事業協力者として決議された。

 事業地は東武伊勢崎線春日部駅西口から徒歩3分、開発総面積は約2.5ha、延べ床面積は約15.0ha。マンション約300戸のほか、地権者のイトーヨーカ堂などの店舗、事務所、公益施設などが予定されている。今年度中に都市計画決定され、着工は平成30年度、竣工は33年度の予定。

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 このニュースはすでに建設関係の業界紙にも報じられているが、同社グループ中央住宅取締役事業部長・金児正治氏と一昨年の暮れに懇談した際に、金児氏は「これからは供給エリアを広げ、規模についても他社とのJVを視野に入れた大型案件、マンションと戸建ての複合開発、さらにはリノベーション、再開発案件にもトライしていく」と語っている。

 マンションや戸建て事業の拡大はよく理解できたが、再開発とはずいぶん大きな夢というか大風呂敷を広げるものだと聞き流した。おそらく、そのころからこの春日部の再開発案件が水面下で進められていたのだろう。あのとき、突っ込んだ質問をしていればヒントくらいつかめたかもしれないと思うと残念だ。

 同社が沿線地域の再生・活性化に取り組むのは大賛成だ。東武伊勢崎線は交通の利便性が極めて高いにも関わらず、埼玉県側には宴会・会合ができるホテルはひとつもなくデパートもない。文化の香りも欠けている。

 そのために、首都圏でもっともマンションの単価相場の低いエリアとしてバブル以前から定着してしまっている。駅前の一等地でも坪単価は180万円がアッパーだ。

 春日部は、宿場町として栄えた県東部の「核」都市だ。同沿線では北千住とともに特急停車駅で、東武野田線ともつながっていることから交通の要所でもある。建売住宅やマンションもよく売れた時代があった。

 しかし、バブル崩壊後は衰退の一途をたどっている。三井不動産が「ララガーデン春日部」を2007年にオープンして街が一変するかと思われたが、人口減少傾向は今も続いている。

 再開発プロジェクトといえば大手デベロッパーの独壇場だが、沿線の街を熟知しているポラスがどのような新機軸を打ち出すか。ここが成功すれば、他のエリアに一挙に広がるはずだ。

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 「最近はスタッフの目の色が変わってきた」-金児氏は最近のマンションや戸建ての販売状況がいいことをこのように表現した。

 その一つが、同社の新ブランド「ルピアコート」の第一弾ルピアコート光が丘公園」(50戸)だ。昨年9月、見学会が行われたとき、坪単価は250万円と聞いて〝果たして大丈夫か〟とも思ったが、すでに残りは15戸と好調だ。

 1年前に分譲開始した坪単価190万円の「ライフピア新越谷プレジール」(41戸)も完売した。この物件は見ていないが、「南越谷」では三菱地所レジデンスが分譲中だ。戸数は三菱の156戸にかなわないが、単価(三菱は185万円)では互角以上だ。

 都内に進出した戸建ても順調に推移している。昨年6月から分譲を開始した「マインドスクェア練馬春日町」(12区画)も残り1区画だという。記者は見学した時点で〝売れる〟と判断したが、隣接地のあるメーカーの戸建ては苦戦しているという。

 住宅・不動産業界を取り巻く環境はリーマンショックを機に激変しており、大手の寡占化が進んでいる。マンションも戸建てはもちろん仲介、リフォーム・リノベーション、空き家対策などあらゆる関連分野でシェアを伸ばそうとしている。中堅は防戦一方だ。その点、ポラスには沿線で営々と築いてきた地盤がある。とくに戸建ては大手も侵攻できないのが現状だ。逆にポラスが大手の分野に攻め入るシーンが見られるかもしれない。

ポラス 大手を意識した分譲戸建て「練馬春日町」 十分戦える商品企画(2014/6/20)

 

 

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