「春が来た」というより「春爛漫」のこの日2月23日、「バブリー」というより「バブル」そのもののマンションを見学した。三井不動産レジデンシャルが今週末28日に抽選分譲する「パークリュクス銀座mono」だ。場所は「銀座八丁目」、坪単価は415万円だが、単身居住にキャピタルゲインを狙う投資用にと申し込みが殺到しており、第1期55戸は即日完売の可能性が高い。
物件は、東京メトロ銀座線・日比谷線・丸の内線銀座駅から徒歩10分(都営大江戸線築地市場駅から徒歩3分)、中央区銀座8丁目に位置する13階建て70戸。第1期(55戸)の専有面積は25.23~43.40㎡、価格は3,188万~5,358万円(最多価格帯3300万円台)、坪単価415万円。入居予定は平成28年6月下旬。施工は松井建設。
2月21日から申し込みが始まっており、締め切りは2月28日。ほとんどの住戸に申し込み、あるいは申し込み希望が入っている。抽選は28日。
現地は、ビル、マンションなどが建ち並ぶ一角。元駐車場。近くには三井ガーデンホテル、東京吉兆、竹葉亭などがあり、築地市場へも徒歩5分。
住居は北西向き。2・3階のメゾネット72㎡を除きすべてがコンパクトタイプ。
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坪単価415万円と聞いて、「高いがこんなものだろうと」と納得もした。2、3年前だったら坪350万円でも高いと思うが、もう銀座、日本橋では坪400万円以下はあり得ない。
それより、どんな人が購入するのだろうと思った。案の定というか、投資狙いの顧客が殺到しているようだ。申し込み・購入希望の人の半数近くはそのような人たちだ。つまり、勝っても住んでもいいという人たちで、築地市場の再開発が決まれば値上がりするだろうからと、インカムよりキャピタル狙いの人がいるというから驚きだ。不動産のプロも買っているという。
さらに驚いたのは、銀座の中古マンションの相場が450万円になっているというのだ。外国人が投資用に古いビルやマンションを買いあさっているのが相場を引き上げている要因のようで、同社のマンションは中古相場より安いのが人気を呼んでいる要因の一つだ。賃貸でも表面利回りで5%弱が期待できるという。
販売担当者も「北西向きですから日照も、採光も眺望も期待できませんとはっきり説明している。一挙に70戸売らないのは、契約がおっつかないから」とのことだった。同社は隣接地で10階建て50戸の建築確認も取っているが、分譲するか一括で売却するかは未定だ。
野村不動産が近くモデルルームをオープンする「プラウド日本橋三越前」には事前の問い合わせが殺到しているようで、物件ホームページには「ご予約無しでご見学頂けますが、大変な混雑が予想される為、個別のご案内が出来ない場合がございます。また、混雑の状況次第では、入場制限をさせて頂く場合がございます。予めご了承下さい」とある。
都心部のマンションはいよいよ狂乱の様相を呈してきた。「いつか来た道」だ。こういう記事がまたバブルをあおるのだろう。