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2015/03/13(金) 00:00

「福井先生を連れてきたかった。残念」 山根・管理協理事長 「検討会」を批判

投稿者:  牧田司

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山根理事長

 「よくぞ空白を埋めまとめられた。(ここに)福井先生を連れてきたかった。残念」-先に開かれた国交省の第10回「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」(座長:福井秀夫・政策研究大学院大学教授)が標準管理規約からコミュニティ条項を削除する方針を打ち出したことについて、マンション管理業協会・山根弘美理事長は3月13日行われた報道陣との懇談会で、このような賛辞とも皮肉とも取れるユーモアたっぷりのコメントを述べた。

 「コミュニティ条項」については過去9回行われた検討会では現場の専門家やオブザーバーが必要性を強調したが、2年半年ぶりに開かれた先の検討会では、区分所有法との整合性、訴訟などのリスクを回避するため条項は削除すべきとしていた。

 こうした方向性が打ち出されたことに対して、山根理事長は「地域の防災など安心・安全の取り組みが盛り上がってきた矢先だったので残念」「財産管理とコミュニティ活動を混同しないようにするようにブリッジをかけるようになってきただけに残念」と2度「残念」と発言し、「新たに出される標準規約は現場では使えない。『標準』にならない。コミュニティ活動に一生懸命取り組んできた組合の反応が心配」と、無念さをにじませた。

 報道陣の質問に答える形で、区分所有法の改正についても触れ、個人的見解として「居住者へのサービスを考えると法律そのものを進歩させる時期かもしれない」と語った。国交省出身の大島宏志・専務理事も私見として「法律改正か新しい法律か、検討もしなければならない」とコメントした。

◇     ◆   ◇

 山根理事長は「残念」「心配」などを連発し、検討会の座長を務めた福井氏にも牽制球を投げた。いつも真っ向勝負しか眼中にない記者も〝なるほど、こうした言い方もあるか〟と反省した。前理事長の黒住昌昭氏も寝業師だったが、山根氏も相当なものだ。ことを荒げたところで問題は解決しない。

 しかし、このまま成り行きを静観していいのだろうか。コミュニティ条項の削除は、600万人のマンション居住者とその90%以上のマンションを管理する管理協、さらには売りっぱなしは問題としてコミュニティ形成に力を入れているデベロッパーに対する挑戦でもある。

 山根理事長は「4団体(マンション管理業協会、日本マンション学会、全国マンション管理組合連合会、日本マンション管理士会連合会)と一緒に取り組んできた。思いは一緒のはず」と語ったが、不動産協会を含めて具体的な行動を起こすべきだ。

 このほかにも第10回の検討会で提示された案には見逃せない記述もある。当初頻繁に用いられていた「第三者管理」の文言が消え、理事会やコミュニティ活動などでの飲食についても問題があるとした。つまり、酒はダメということだ。

 最近は原始規約で共用部分での喫煙を禁止する動きが強まっている。酒もダメ、タバコもダメと言ったのはヒットラーではなかったか。異論を封じるのもファッショだ。そんな息苦しい、規約だらけのマンション住まいなど止めたというユーザーが増えないか心配だ。(だが〝理事などやりたくない。資産価値が上がるならいくらでも出して専門家に任せたほうがいい。コミュニティなど真っ平だ〟と考えるであろう富裕層はコミュニティ条項削除に大歓迎だろうし、検討会はそのような層の声に応えるものだろう)

 

 

標準規約からマンションコミュニティ条項が消える?第10回「管理ルール検討会」(2015/2/26)

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