「お客さま係」イメージ図
大京グループの管理会社、大京アステージは4月1日付でマンション居住者宅を訪ねて〝困りごと〟を解決する女性の専門職「お客さま係」を本格展開する。
同社はこれまでも、専用サイトやフリーダイヤルなどで居住者の悩みごとなどに対応してきたが、居住者の高齢化が進行する中でよりきめ細かな対応をすることが重要と判断し、2013年10月から首都圏の約150 物件2,000戸を対象に試行的にマンションの排水管清掃に合わせて戸別訪問を行ってきた。
その結果、半数以上で掃除や手入れ、不具合などの悩みごとを持ちながら相談できていない実態が分かったという。
このため、「お客さま係」に対する潜在ニーズは高いと考え、本格展開を決定した。4 月1 日付で本社・ライフサービス事業部内にCA(カスタマーアドバイザー)推進室を新設。既存の5 名に加え、グループ内から女性社員を公募する。段階的に支店への配置を進め、2017 年までに全国24カ所の全支店に複数名の「お客さま係」を配置、将来的には60名体制を目指す。
同社は大京が分譲した約41万戸のマンションを管理する戸数では民間トップ企業。
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よくぞ思い切って踏み込んだものだ。4分の1の人と「季節の話題」が交わせることに象徴的に表れている。よほど手ごたえを感じているのだろう。
管理会社の業務はあくまでもマンションの共用部分の維持管理で、専有部には〝アンタッチャブル〟という暗黙の了承があった。しかし、建物の老朽化、居住者の高齢化という「二つの老い」が加速度的に進み、様々な問題を解決するには専有部サービスが欠かせないと各社はここ数年、専有部サポートに力を入れている。ただ、同社のように戸別訪問までするところはないようだ。
担当者は〝御用聞き〟ではないというところがミソだ。御用聞きでは居住者のニーズを引き出せない。そのため、担当者にはマンションの商品企画や設備に関する専門知識を持たせるという。
「お客さま係」は、間違いなく潜在的な様々なニーズを掘り起こすことになるはずだ。将来的には60名体制にするというのも頷ける。一つの問題解決は数百、数千倍の効果をもたらすはずだ。大輪が咲くのではないか。