「三井ショッピングパークららぽーと富士見」
三井不動産は4月10日、同社の大規模郊外型商業施設としては13施設目の「三井ショッピングパークららぽーと富士見」をオープンする。東武東上線エリア最大級の敷地面積約15.2haに293店舗が出店する。年間の売り上げ目標は450~500億円。開業に先立って6日、報道陣や招待客などに公開され、3~4万人が訪れた。
施設は、東武東上線鶴見駅から約1.5㎞(バスで約6分)、埼玉県富士見市山室に位置する敷地面積約15.2ha。鉄骨造4階建てで延べ床面積約18.5ha、店舗面積は約8.0ha。店舗数は293店舗。設計施工は安藤・間。
埼玉県を含む北関東の基幹店と位置付けており、商圏半径10㎞圏内の約160万人。若年層だけでなくシニア層もターゲットに据え、ワンストップで需要を満たすことを目指す。商業施設では初となる三越伊勢丹、京王、丸広百貨店のサテライト店も出店する。
施設コンセプトは、「コミュニティ」「空間」「体験」「ショッピング」の4つをキーワードとする「人・モノ・文化が交差する新拠点~CROSS PARK~」。
「コミュニティ」では、地域との共生を大切にするため認可保育所、クリニックを設置し、交通広場も整備する。地産地消を促進するため地元「JAいるま野」と提携し、「いるマルシェ」「彩の国レストラン」が出店する。
「空間」では、約4.2haを緑化し、ららぽーと公園やドッグランを整備するほか、ママにも優しいキッズテラス、女性目線で創られたトイレ空間を提案している。本物の樹木「シマトネリコ」を植えたフードコート「森のダイニング」も売りの一つ。シマトネリコは数本植わっていた。
「体験」では、日本初の「Media Mation MX4D」が体験できる「TOHOシネマズ」、商業施設初の「セガソニック鉄道」などのエンターテイメントを誘致し、「ショッピング」は多世代ニーズに応える293店舗を揃える。
冒頭、挨拶に立った同社常務執行役員商業施設本部長・石神裕之氏は、「『船橋ショッピングセンターららぽーと』を開業してから35年目の節目の年にリージョナル施設としては13店舗目となる施設オープンとなる。ワンストップショップとして地域に根ざした施設になるよう努力していく」と語った。
「森のダイニング」
◇ ◆ ◇
地元埼玉を意識した施設でもある。「いるマルシェ」には、生産者の名前が入った野菜などがたくさん並んでいた。新タマネギは1個50円くらい(100g33円)で売っていた。
「彩の国レストラン」もお勧めだ。埼玉県産の約80種の食材を用いたビュッフェレストランで、大食漢にはたまらないのではないか。ただ、すいとんに似た郷土料理「つみっこ」はやや味が濃かった。
「TOHOシネマズ」の「Media Mation MX4D」も体験した。これは怖かった。万里の長城から電動自転車のようなものが転げ落ちるアニメ映画で、画面が飛び出し、シートが縦横上下に動き、足元に何かが触る、いやな匂いではないが、何だか変な香りもする。石が飛んできたので目をつぶったらその途端、水しぶきが顔面を襲った。約7分間。汗びっしょりになった。心臓の弱い人は敬遠したほうがいい。
「いるマルシェ」(左)と「彩の国レストラン」
◇ ◆ ◇
来場者にも話を聞いた。小さい子どもをあそばせながらママさんたちが寛ぐ「スタジオカフェZooAdventure」を利用した20代の女性は、「小さな子どもの声がうるさいとネットでよく書かれるので、ここは子どもをあそばせながら私たちもリフレッシュできる。とてもいい」と話した。「遊び場」の利用料金は30分500円から。
施設の近くに住むという20代の女性は「近くに商業施設は全然ない。わたしは車が利用できないので、自転車で来ることができる。楽しみ。富士見市も知られるようになる」と大歓迎していた。
娘さんが地元に住んでおり、誘いを受けたので静岡県下田市からやってきた60歳代の夫婦は「立派な施設だが、地元の商店街がかわいそう」と、既存の商店街への気遣いをみせた。
川越から車で10分くらいかけて来館した60代の男性は「娘が招待されているので来たが、同じような施設は川越にも入間にも川口にもある。どこに行くか悩ましいほどだ」と過当競争を心配していた。
それにしても3~4万人とは驚いた。昨日の西武プリンス球場の観客数は約22,000人だ。それの2倍近いとは。
「京王」(左)と「三越伊勢丹」
2階から写す
「スタジオカフェZooAdventure」
女性用トイレ(女性スタッフに撮ってもらった写真。「とてもきれい。化粧直しブースは2カ所。もっとあったらいい」と話していた)
記者が気に入ったポスター(キャッチコピーは「オジサンだって女子だもん」)