RBA OFFICIAL
 
2015/04/13(月) 00:00

女性でも25㎏のセメント袋が軽々持ち上がる 大和ハウスのロボット

投稿者:  牧田司

 IMG_0022.jpg
左から「下肢タイプ」「介護支援用」「単関節タイプ」「作業支援用」

 「うわぁ、私の力じゃない。後ろから引っ張られているみたい」-大和ハウス工業は4月13日、介護・福祉施設や建設現場の作業負荷軽減のためのロボット商品の販売開始・実証実験開始の記者発表会を行ったが、作業支援用のロボットを装着したテレビ局の若い女性が25キログラムのセメント袋を軽々と持ち上げ歓声を上げた。

 同社が5月1日からレンタル販売を開始すると発表したのは、CYBERDYNE(CEO:山海嘉之氏)が開発・製造する「ロボットスーツHAL自立支援用(下肢タイプ)」「同(単関節タイプ)」「同介護支援用(腰タイプ)」の3商品で、グループ内で実施用実験を開始すると発表したのは「同作業支援用(腰タイプ)」。

 全ての商品とも装着者の皮膚表面から生体電位信号を読み取り、装着者の思った通りに動作をアシストするのが特徴。「下肢タイプ」は、下肢に障がいかある人や脚力がよわくなった人向け。レンタル料金は188,000円/月、重さは約14㎏、動作時間は約60分。全国の介護・福祉施設が販売対象で、販売目標は年間20台。

 「単関節タイプ」は、膝や肘に装着するもので、重さは約1.3㎏と軽いのが特徴。レンタル料金は初期費用が400,000円、130,000円/月、動作時間は約120分。販売対象は「下肢タイプ」と同じ。

 「腰タイプ」は、介護者が介護を行う際の腰部への負担を軽減するもので、作業する労力の約40%が軽減される。重さは約2.9㎏、作動時間は約180分。レンタル料金は初期費用が100,000円、78,000円/月。販売対象は全国の介護・福祉施設。年間販売目標は30台。

 実証実験を開始する商品は、介護・福祉用とほとんど同じ機能を持っており、今後1年間をかけて同社グループの建設現場などに10台を導入して課題などを検証する。

 同社執行役員ヒューマン・ケア事業担当の田村哲哉氏は「ロボット事業を拡大し、医療・福祉、建設分野で社会の課題に取り組み、貢献していきたい」と語った。

 ロボット市場は現在の約1.6兆円から10年後には約5.3兆円へと飛躍的に伸びると予測されている。同社は2008年にロボット事業推進室を設け、これまで介護・福祉施設向けを中心にリース・レンタル事業を展開してきた。今回販売する商品は、これまで販売してきた商品の改良型。

IMG_0027.jpg
「作業支援用」のデモンストレーション

◇       ◆     ◇

 記者は話を聞きながら、これは体験しないと分からないと思い、体験を申し込んだが、テレビ局などの先約があり無理だと知らされた。そこで、テレビ局の若い女性が体験するのを見学することに決めた。

 重さ25㎏のセメント袋をわたしは持ち上げることがほとんどできなくなっているほど腕力も腰の力も衰えている。しかし、その女性は相当の力持ちだ。苦労しながらも25㎏のセメント袋を腰のあたりまで持ち上げた。それでも女性にとっては大変な負担がかかるのは容易に理解できた。

 驚いたのはロボットを装着して軽々と持ち上げ、冒頭の感嘆の声を上げたことだった。その女性は「重いものを持つ感覚はあるが、上に持ち上げるのは誰かが手伝ってくれているようで全然ラク。これなら建設業界に転職しても大丈夫」などと冗談も飛ばした。

 重さ約3キロのロボットを腰に装着して他の作業がラクにできるかどうかの疑問はあるが、重いものを持ち上げたり降ろしたりする作業には効果的なのは間違いないし、介護・福祉施設でも普及しそうだ。

 相撲も野球もゴルフも腰が肝心なのは聞いてはいたが、それを目の当たりにした。この補助ロボットを装着すれば、野球の打者は100発100中本塁打が打てるのか、ゴルフは軽々300ヤードを超えるのか。技術的には可能だろう。しかし、待てよ。投手が装着すれば、どういうことになるのか。これは好勝負だ。

 さらにまた、記者が書きたいように記事を書いてくれるロボットが出現するかもしれない。しかも作家の名前を入力すれば、好みの文体に変換してくれて、誤字・脱字の校正もしてくれる時代がやって来ないか。

IMG_0024.jpg
「介護支援用」(左)と「作業支援用」

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン