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2015/04/14(火) 00:00

野村不「プラウドタワー大泉学園」竣工 現金購入33%、買い増し46%

投稿者:  牧田司

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「プラウドタワー大泉学園」

 野村不動産は4月13日、先に竣工した西武池袋線大泉学園駅直結の再開発マンション「プラウドタワー大泉学園」の記者見学会を行った。分譲開始からわずか3カ月で完売した人気物件で、再開発の協議会発足から約10年で竣工させた開発スピードと、地域の価値を最大限引き出した商品企画力は見事というほかない。

 物件は、西武池袋線大泉学園駅から徒歩1分、練馬区東大泉1丁目に位置する地下2階地上27階建て全168戸(非分譲3戸含む)。専有面積は55.04~103.42㎡、価格は4,560万~13,470万円、坪単価296万円。設計・監理はアール・アイ・エー、施工は清水・西武建設共同企業体。

 従前の現地は、駅前ロータリーが貧弱で、中小の雑居ビルなどが建ち並ぶ雑然とした雰囲気がしていた。それを解消するため北口地区まちづくり協議会が発足したのが平成17年。同社は同19年に事業参画。同23年に都市計画決定。同27年度に組合解散予定。施行面積は約0.8ha。

 駅と建物をペデストリアンデッキで結び、1階にはバス・タクシー乗り場、歩行者通路を整備し、1~3階は商業施設「Grand Emio(グランエミオ)大泉学園」、4階は練馬区の公益施設が入居する。東京都のマンション環境性能評価制度で同社としては3物件目の満点「星3つ」を獲得している(その後「立川」でも取得)。

 わずか10年で事業完了できたのは、地権者が個人5人、法人3人(同社と西武鉄道、JA東京あおば)と少なかったことも大きいが、公民の連携がスムーズに行われたのが最大の要因と思われる。ペデストリアンデッキには、同区がアニメーション発祥の地であることから手塚治虫などのアニメのモニュメントを区が整備した。

 建物は三角形の敷地形状を巧みに利用し、デッドスペースになりがちな部分にエスカレータと吹き抜けを設け、商業棟と住宅棟の1フロアの階高の差を利用した屋上庭園などを設置している。

 住宅棟では、24時間利用可能な「ライブラリー」4席(1席約1畳大)を設置し、エントランス部分には印象的な天然御影石の「ホワイトジー」のデザイン壁を設置している。3階の開放廊下側には、昼と夜とで表情が異なる鏡面仕上げのアルミのアートを設置するなど、細かな点にも工夫を凝らしている。

 購入者の約7割が地元練馬区居住者で、現金購入が33%、ほとんどが買い増しの持ち家層が46%。自己資金は平均1,960万円。これはすごい数字だ。

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エントランスホール

◇       ◆     ◇

 この物件については一昨年の夏ころだったか、見学を申し込んだのだが、すべて完売しておりモデルルームを閉鎖したあとだった。瞬く間に完売したのに驚いた。

 坪単価296万円も、今では安いのかもしれないが、西武池袋線で駅力№1と言われていた「ひばりヶ丘駅」でも西武不動産(当時)のタワーマンションは坪270万円もしなかったはずだ。当時はリーマン・ショックの後だったので環境は異なるが、今回は地元のアッパーミドル・富裕層が殺到したということだ。

 商品企画も芸が細かい。24時間利用可能のライブラリーは同社としては初めての試みだったが、他社も含めてそれほど例がないのではないか。エントランスホールに「ホワイトジー」と呼ばれる御影石が採用されているが、このように具体的な名前をお客さんに説明できる営業マンは他社にいるか。これが〝プラウド〟と他のブランドの違いだ。

◇       ◆     ◇

 もう一つ、これはマンションと全然関係ないのだが、今回の取材で大変うれしかったことがある。今年4月、野村不動産ホールディングスの広報IR部長に宇佐美直子氏が就任したと報告されたことだ。長い大手デベロッパーの取材の中で、女性の広報部長は初めてのはずだ。

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駅前の「OIZUMI ANIME GATE」

 

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