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2015/05/21(木) 00:00

積水ハウス 環境を学ぶ場「エコ・ファースト パーク」 茨城県古河市に開所

投稿者:  牧田司

 

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植樹式

 積水ハウスは5月19日、同社の環境技術実証実験住宅3棟を結集した「積水ハウス エコ・ファースト パーク」を同社の関東工場(茨城県古河市)に新設、広く一般に公開していく。同日、和田勇・同社会長兼CEO、阿部俊則・同社社長兼COO、北村茂男・環境副大臣、楠田幹人・茨城県副知事、菅谷憲一郎・古河市長らが出席して開所式や植樹式・メダカ放流式が行われた。

 「エコ・ファースト パーク」は総面積2万8,000㎡。地球温暖化や生態系問題、資源問題などの〝学びの場〟として提供するもので、2006年に国立市に建設した「風の家」、2008年に洞爺湖サミットの環境ショーケースとして建設された「あしたの家」、2010年に横浜市に建設された「木の家」をそれぞれ移築、「いきものの庭」「資源の泉」などを加えた施設で構成。

 開所式で挨拶した和田会長は「後世に伝えられる設備を備えた住居つくりを99年から取り組んできたが、その活動の歴史の中で象徴的なモデル施設を一か所に集約できた。たくさんの人に若いうちから環境を学ぶ場所にしていただきたい」と述べた。

 来賓として出席した北村環境副大臣は、「行政、企業、市民が一体となり地域を盛り上げ、そして環境について学ぶ場として発展していくことに期待したい」、楠田副知事は「茨城はエコに積極的に取り組んでいるので、県民に親しみのある施設になるよう施設にしていただきたい」、菅谷市長は「行政としても環境に配慮した取り組みを行う心は積水さんの理念と同じ」などと語った。

 同社は、2008年に①家庭部門と事業活動に伴う二酸化炭素排出量制限の積極的推進②生態系ネットワーク復活の積極的推進③資源循環の徹底推進の3つを環境大臣と約束し、業界初の「エコ・ファースト企業」として認定を受けている。

 場所はJR宇都宮線古河駅から車で20分。開業時間は10:00~17:00。入場無料。見学の際はホームページで予約が必要。(岡田寛子)

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左から和田氏、北村氏、楠田氏、菅谷氏

◇        ◆      ◇

 全体の見学時間は2時間もなかったので、回りきれなかったのが残念だった。じっくり見学するには少なくとも5時間は必要だとおもう。それくらい中身の濃い「パーク」だと思う。

 今回、報道陣に公開された「エコ・ファースト・パーク」の「風の家」も「あしたの家」も「木の家」も記者は見るのが初めてだった。なにより嬉しかったのは、同社の「5本の樹計画」や木造住宅「シャーウッド」ファンの記者としては、主力の「鉄」ではなく、環境と親和性の高い「木の家」が移築されたことだ。

 もう一つ、2003年に開設された建設現場の廃棄物を分別し、100%資源化する流れを学べる「資源の泉」がいい。以前はそのまま廃棄されていた廃材が最初27種に分別され、最後は80種まで細かく、しかもタグ付きだからどこで廃棄されたかもトレースすることができる。これも素晴らしい。

 同社が消費者から圧倒的な支持を得られるのも、こうした地道な活動があるからこそだと納得もした。和田会長は「1999年に『環境未来計画』を発表したとき、業界からもマスコミからもばかにされた。今は、環境を語れない企業は存続できない」と話したのが印象に残った。

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メダカの放流式

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メダカの放流式

◇            ◆      ◇

 ひとつだけ、今回の見学取材で我慢がならなかったことがある。古河駅から同社が用意したバスで「「エコ・ファースト・パーク」が開設された同社の工場に向かったのだが、おそらくプラタナスだと思うが、道路の街路樹として植えられていたその樹木は変な選定をやったために瘤だらけになり、支柱がないせいかひん曲がり、無駄なヤゴやら幹ぶき、徒長枝だらけ。木は悲鳴をあげていた。きれいに選定され、樹木1本一本に名札が付けられた同社工場敷地内の樹木とは対照的だった。

 この日、古河市長もセレモニーには出席されていたので、このことを話そうと思っていたが、その機会はなかった。残念無念。(牧田 司記者)

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古河市の街路樹(左)と駅前広場のケヤキと思われる木

 

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