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2015/05/22(金) 00:00

野村不・長谷工・ブリヂストン 画期的な排水システム開発、実用化

投稿者:  牧田司

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左からブリヂストン建設資材企画部部長・向井章氏、野村不動産住宅事業本部品質管理部部長・小松久悦氏、長谷工コーポ エンジニアリング事業部統括室長・若林徹氏
 

 野村不動産、長谷工コーポレーション、ブリヂストンの3社は5月22日、建物の水回り設備を自由に配置・設計することを可能にした排水システム「サイホン排水システム」を共同開発し、第一段階としてキッチンディスポーザーで実用化したと発表した。2014年から開発を進めてきたもの。

 「サイホン排水システム」は、従来の管径40~75ミリだったのを20~25ミリに小口径化することに成功、1つ下の階で排水縦管に合流させることでサイホン力を利用して排水するシステム。排水管を通すために必要であった床下空間270~300ミリを140~150ミリに抑えることができ、室内空間を拡大することができる。

 また、排水管の無勾配化とサイホン力による高い排水性により、従来は縦管からの距離が2~3m必要だったものが、最大14mまで可能にした。排水管は専用部分の外の縦管につなぐことも容易になった。自掃能力もあり、排水管のつまりも軽減される。

 今後はユニットバスや洗面化粧台へも採用し、プランバリエーションを拡充できるよう開発を進めていくとしている。

 技術を開発したブリヂストンの給湯給水設備事業の全国シェアは30%程度で、これまで排水設備事業はなかった。

 長谷工コーポレーションは今後自社施工マンションの10%くらいに採用していくという。

 野村不動産は今後の商品開発に生かしていく予定。

◇       ◆     ◇

 これはすごいヒット作になる可能性を秘めている。ディスポーザーは10数年前から一挙に広まり、今では数十戸以上のマンションでは当たり前の設備になりつつある。しかし、機器本体そのものや排水の音の問題と、床下のふところ厚を確保しなければならないネックもあった。

 今回の商品は一挙にそれらの問題をクリアした。キッチンをバルコニー側に設けようとどこに設けようと少なくとも排水管の音の問題は解消される。本体そのものの音も最近は随分改称されつつあると聞く。

 発表会では従来型と今回の商品の実物大でのデモンストレーションが行われたが、新商品の排水スピードは従来型より5倍くらい早くなったそうで、一挙に流れた。もちろん音など全然出なかった。

 コストは従来型と比べ若干高くなるようだが、間取りプランの設計自由度が高まることと比べると問題にならないと思う。「長谷工のSI」は他社との差別化が可能となり、高さ規制の厳しいエリアでも対応できるようになるはずだ。

 3社は特許を出願中だが、汎用性を持たせる意向だ。

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従来型(奥)と新商品(手前)の大きさ、勾配などを比べたデモンストレーション

 

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