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2015/06/30(火) 00:00

コスモスイニシア 「‘柔らかさ’のある住まい」テーマの新ブランド「INITIA CLOUD」

投稿者:  牧田司

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津田氏(左)と佐藤氏

 コスモスイニシアは6月30日、「‘柔らかさ’のある住まい」をテーマにした新ブランド「INITIA CLOUD(イニシアクラウド)」を立ち上げ、近く供給するマンション「イニシアクラウド二子玉川」、リノベーションマンション「パレ二子玉川」、一戸建て「グランフォーラム梶が谷」を皮切りに分譲していくと発表した。

 「INITIA CLOUD」は、Newsweek誌「世界が尊敬する日本人100人」に選出された世界的なデザイナー佐藤オオキ氏が代表を務める「nendo」が監修し、マンション、リノベ、一戸建てなどのカテゴリーの枠を超えて、家族構成やライフサイクルの変化に対応し、あわせて心地よい空間を提案することで、「‘柔らかさ’のある住まい」を実現する。

 基本は、開放的な大きなスペースとスライドウォールを組み合わせ。スライドウォールを開閉することでさまざまな間取りやレイアウトが可能になる。「キッチンなのに廊下にもなる」「廊下なのに収納にもなる」など、従来では考えられなかった柔軟な提案も行っていく。

 発表会に臨んだ同社執行役員レジデンシャル本部副本部長・津田英信氏は、「これまで業界スタンダードになるようなものづくりを行ってきたが、間取りの研究開発余地はまだまだあると考えてきた。しかし、従来の建築関係、学者などとのコラボには発想に限界もある。佐藤さんの『デザインは人を幸せにするもの』の言葉にひかれ、2013年に『建築分野を超えた仕事がしたい』と依頼した」とコラボの経緯を語った。

 佐藤氏は、「住まいとは何か、イニシアって何かなど、大きなフレームで考えたとき、家電などと比べて住宅はハードもソフトも“固い”し、進化していないんじゃないかと考えた。そこで浮かんだのが“柔らかさ”。大事なのは“SCENE(シーン)”“TIME(タイム)”“TOUCH(タッチ)”。これをテーマにした」と話した。

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概念図(SCENE)

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概念図(TIME)

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概念図(TOUCH)

◇       ◆     ◇

 なかなか面白い発想だ。詳細は別掲の記事を読んでいただきたいが、同社は昨年、創業40周年記念のプロジェクト「イニシア武蔵新城ハウス」を分譲した。これまで取り組んできた同社のものづくりの集大成の物件といえるもので、素晴らしいものだった。

 今回の新ブランドはその延長線上にあるものと理解した。しかし、津田氏が目標とした「年間供給戸数の10%程度」という目標については注文を付けざるを得ない。

 佐藤が話したように、今の住宅は固くて進化していないというのであれば、同社が先頭に立って変えていくという気構えがほしい。それが新ブランドのコンセプトだ。10%というのは情けない。

 記者は、今後供給するすべての物件に“SCENE(シーン)”“TIME(タイム)”“TOUCH(タッチ)”を採用するのは困難なのは理解できる。コストなど様々な制約があるのも分かる。

 しかし、同社の年間のマンション供給量は1,000戸くらいか。そのうち新ブランドが10%とすれば100戸だ。供給戸数を競う時代ではないが、これはいかにも少ない。ユーザーに浸透しない。これまで分譲してきた物件でも新ブランドのコンセプトに近いものを同社は供給してきている。

 「INITIA CLOUD」は単にマンション、戸建てブランドの一つにとどまらず、同社のマンション事業全体、企業姿勢にもつながるものだ。エッセンスだけでもいい。新ブランドが業界をリードし、やがてはスタンダードにする姿勢をアピールしてほしい。

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「イニシアクラウド二子玉川」完成予想図

創業40周年記念の「イニシア武蔵新城ハウス」 30年前の「シカク」蘇る(2014/10/9)

 

 

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