コスモスイニシアは7月24日、創業40周年のフラッグシップマンション「イニシア武蔵新城ハウス」が全124戸完売し、竣工したのを受けて報道陣向けに公開した。
同マンションは、居住者にとってやさしい住まいとはどうあるべきかという原点に立ち返り、全体計画から住戸プランの細部に至るまでこだわりを持って「マンションの新しいカタチ」を提案した同社の自信作。
居室内の梁や柱などの無駄な凹凸を極力減らし、シンプルで美しいカタチを追求。豊かな中庭デザイン、間取りの自在性、リビング空間の広がり、キッチンデザインなどがユーザーに評価され、昨年12月の第1期76戸、今年2月の第2期41戸、今年6月の第3期最終期7戸とも即日完売した。
同社は「完売予定の8月より2カ月前倒しで完売することができた。地元以外からの集客ができ、モデルルーム来場者に対する購入者の割合が22~23%と歩留まりが高いのが特徴」などと話した。
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このマンションについては、分譲開始前に見学し記事にしており、さらに、昨年の「ベスト3マンション」の一つに選定しているので、そちらの記事を参照していただきたい。
記事は自信を持って書いたつもりだが、完成したマンションを見学して、改めて商品企画が大事なことを学んだ。きめの細かい商品企画がユーザーからも評価されたのが実感されて嬉しい。ありふれたマンションなら、ここまで早期に完売できなかったはずだ。
予想外というか想像以上だったのは、エントランスと中庭のデザインの美しさだった。エントランスには本物の杉材が壁と天井部分に格子状に配されていた。左官職人による土壁とよく調和している。中庭の植栽も豊かだった。
もう一つ、細かいことだが、中庭面した住棟の外階段側に設けられた有孔ブロックがなかなかいい。沖縄にしか用いられない「花ブロック」というもののようだ。
専有部は、予想した通りシンプルで美しかった。一瞬、鹿島の「加賀レジデンス」を思い出した。白が基調で、壁や梁の出っ張りがないのはよく似ている。同社の企画を担当した建築本部 商品企画部 商品企画課・小山智弘氏も「少し意識した」と笑っていた。
専有面積約70㎡のタイプが8割くらいを占める。普通のマンションだったら、来場者からは「3LDKにしては狭い」と言われそうだが、それもなかったというのは「シカク」の商品企画がよかったからだろう。
同業のデベロッパーにも、こういった意欲的なマンションの商品企画に挑戦してほしい。