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2015/07/28(火) 00:00

週刊住宅 2014年度のマンション最優秀賞に三井レジ「三田綱町」

投稿者:  牧田司

 次世代に残る優れた分譲マンションプロジェクトを表彰する週刊住宅新聞社の2014年度「首都圏優秀マンション表彰」の最優秀マンションに三井不動産レジデンシャルの「パークマンション三田綱町ザフォレスト」が選ばれた。建物の質に加え、既存樹木を生かすなど都心では希少な緑の保全・創造に力を入れたことが評価された。

 このほか、部門ごとの優秀賞は、都心・大規模部門に住友不動産「DEUX TOURS(ドゥ・トゥール)」、都心・小規模部門に三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス元代々木町」、近郊郊外・大規模部門に野村不動産「プラウドタワー立川」、近郊郊外・中規模部門に大和ハウス・コスモスイニシア「ひばりが丘フィールズ1番街」、近郊郊外・小規模部門に三井不動産レジデンシャル「パークホームズ駒沢ザ・レジデンス」が選ばれた。

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 同社の表彰はこれで6回目になる。優れたマンションを顕彰するのは大歓迎だが、気にかかることもある。

 選考対象となった2014年4月~2015年3月に販売実績のあった新築分譲マンションのうち、今回、デベロッパーからの自薦と評価委員からの推薦を合わせた物件数は39件で、初回の92件から半分以下に減少していることだ。

 評価委員のコメントも、大久保恭子氏(マンション評価ナビ主宰、風代表)の「全体的には、突出する物件が少なかった」、櫻井幸雄氏(住宅ジャーナリスト)の「突出した物件が少なかった。地価上昇、建築費が高騰する中、“ほどよく収めた”物件が多かった」、目黒孝一氏(不動産ジャーナリスト)の「秀でたマンションがなかったのが印象だ。中堅デベロッパーからの物件エントリーもほぼなかった」などと物件の少ないことに言及している。

 なぜそうなったか。いろいろ理由はあるのだろうが、これはデベロッパーも考えないといけない。「突出する物件がない」「秀でたマンションがなかった」と専門家に言われているのだ。記者は決してそうは見ていないが、情けないではないか。どんどん自社のマンションの商品企画をアピールし、世に問うてほしい。

 もう一つは、業界紙サイドの取材姿勢についてだ。各デベロッパーが行うマンション見学会に集まるのは多くて30人くらい、少ないときだと10人くらいしか集まらない。先日行われた大手デベロッパーの恒例の記者懇親会には100人近いジャーナリストが集まった。それぞれ取材分野、フィールドが異なるので何とも言えないが、大手デベロッパーのマンション事業は全体売り上げのかなりの比率を占める。どのようなマンションを供給するのかくらいは知っておくべきだ。現場を見ずして企業について語れないはずだ。

 今回選定された物件はそのほとんどを記者も取材しているが、選定されて初めて知るような物件に出会いたい。そのような物件を多くの物件の中から掘り起こすのも業界紙の役割ではないのか。

 主催者にも一言。物件特性の評点を加算する選定方法は、郊外より都心、駅から遠い物件より近い物件、価格の安いものより高いものが選ばれるのは当然だ。しかし、例えば「プラウド」と「オハナ」を同じ土俵の上で論じられるわけがない。コンセプトやターゲットが全然異なる。都心の高額物件は富裕層の、郊外物件は普通のサラリーマンの取得能力を想定して選ぶべきだ。

 記者は昨年の「ベスト3」マンションで野村不動産「プラウドタワー立川」、三井不動産レジデンシャル「パークマンション三田綱町」、コスモスイニシア「イニシア武蔵新城ハウス」を選んだが、それぞれ評価点を付けたわけではない。総合的に判断したのだ。「三田綱町」と「武蔵新城」を戦わせてどうなる。前者の単価は725万円、後者は230万円。前者が97戸の、後者が124戸の顧客満足にそれぞれ応えたという視点から見れば、優劣などつけられないではないか。

 

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