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2015/08/04(火) 00:00

キッズデザイン賞 男女共同参画担当大臣賞は乃村工藝社「チームM」

投稿者:  牧田司

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「第9回キッズデザイン賞」シンポジウム(六本木ヒルズ森タワーで)

 キッズデザイン協議会(内閣府認証NPO、会長:和田勇・積水ハウス会長兼CEO)は8月3日、子どもたちの安全・安心、健やかな成長発達に役立つデザインを顕彰する「第9回キッズデザイン賞」受賞作品308点の中からより優れた作品として最優秀賞・優秀賞・奨励賞・特別賞など36点を発表した。同賞への応募作品は過去最多の474点だった。

 最優秀賞(内閣総理大臣賞)は「ルナドリームカプセルプロジェクト」(ルナドリームカプセルプロジェクト実行委員会)で、このほか「経済産業大臣賞」4点、「少子化対策担当大臣賞」2点、「消費者担当大臣賞」1点、今年度から新設された「男女共同参画担当大臣賞」1点が選出された。

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 記者は記者発表・表彰式のあとに行われた各受賞者によるプレゼンテーションを取材したのだが、大人の目線ではなかなか気づかないことやドキッとさせられることなどがたくさん報告された。社会経済の変化とそれが子どもにもたらした影響などがよく理解できた。

 いくつかを紹介すると、「夢が描けない子どもが増えている」(総理大臣賞を受賞した「ルナドリームカプセルプロジェクト」)「人口比約2%の弱視は早期発見でかなり改善できる」(経産大臣賞を受賞した「3歳からの『たべたのだあれ? 』視力検査キッド」)「手動と電動のそれぞれいいところを取り込んだ」(子ども向け車いす用アシストを開発したヤマハ発動機)「掃除時間は1998年が42分だったのが2014年は29分に短くなった」(空気清浄機付きスティッククリーナーを開発した三菱電機)「在来作物はわが国の文化」(在来作物で味覚レッスン)などだ。

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 もう一つの取材の狙いは、今年度新設された男女共同参画担当大臣賞にはどのような作品が受賞するかにあった。受賞したのは乃村工藝社の「ノムラのソーシャルマーケティングへの取り組み<チームM>」だった。

 プレゼンを行ったのは、同社営業開発本部企画開発部開発ルームチームMデザイナー・松本麻里氏だった。松本氏はチーム立ち上げから展開、課題、今後の目標などについて次のようによどみなく語った。

 「この5年間で産休を取った女性30名が全員復帰した」「仕事を通じて社会とつながっている、よりエンドユーザーに寄りそった仕事ができることでモチベーションも上がった」「大学などともコラボして、課題の見える化も進めたい」

 話を聞きながら、今年3月に取材した日本建築士会連合会女性委員会(女性委員長:永井香織・日大准教授)を思い出した。この時と同様、松本氏は「あー」とか 「えー」とかの機能語をほとんど話さなかった。最後に松本氏は「まだまだ紹介しきれない取り組みがあるが、社会の課題解決のために取り組んでいく」と締め くくった。

 「チームM」は2年前、同社の新規事業提案で採用されたプロジェクト第一弾で、同社で働く育児経験がある女性社員5名から構成されており、仕事と育児との経験から見えてくる気づきを生かし、子どもたちの未来のために心地よい空間をデザインし提案していくのが目的。

 審査評には、「子育て中の女性社員が部署横断でチームを編成し、子連れで外出しやすい空間や理想的な保育施設の提案を行う社会有用性の高い取り組み。この活動の成果として、同社では育休後の復職率ほぼ100%を継続している。女性の活躍推進というテーマにもっともふさわしいものとして高く評価した」とある。

 

 

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