三井デザインテックは8月17日、今年のミラノサローネ国際見本市の分析と家具や空間デザインの最新トレンドをまとめた「Design Trend Report 2015」を発表した。
レポートは、今年のミラノサローネでは、彩度・明度とともに低く、全体的に落ち着いた深みのあるカラー表現が昨年同様よく見られたとし、全体的にくすんだグレイッシュなカラーが多い一方で、シーズンカラーとして赤の存在感が目立ってきているとしている。
また、形状の変化としては、生活スタイルに応じて自在に形をアレンジできるモジュール・システムが増加し、フレキシブルなフォルムの家具が多く展開されてきており、特に、今シーズンは曲線を活かした形状のデザインや軽量感のあるフレーム・デザインが特徴的としている。
さらに、ウッド素材と最新デザイン技術が融合した独特の素材感が加わっているパターンが多く、アフリカやインドなどの伝統的な柄をアレンジしたパターンなどもよく見られた。
スペースデザインとしては、ブラックを効かせた、クラシックとモダンが調和した空間スタイリングがトレンドとして数多く展示され、可愛らしさとクラシカルさがミックスした柔らかい色の組み合わせによるノスタルジックなスパイスを効かせたフェミニンな空間スタイルも注目されたとしている。
ミラノサローネ全体から見える様々なトレンドを分析した結果、新しいデザインの潮流は、「原点回帰」「本格派志向」「手作り」だという。
以上のような傾向から読み取れる2015年のインテリアトレンドにおけるキーワードは、「Exceed The Nostalgia~手仕事によるクラフト感と時代を超越した上質感~」であり、レトロとモダンがミックスされ、人の手を感じられるインテリアが多く登場してくるとしている。
三井デザインテックは10年にわたり、ミラノサローネを定点観測しており、デザイントレンドレポートとして毎年発表。2015年は7月24日を皮切りに、業界関係者向けに三井デザインテックデザインラボラトリー所長・見月伸一氏によるデザイントレンドレポートセミナーを開始している。