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2015/08/26(水) 00:00

日本ホームステージング協会 「ホームステージャー1級」第一期生6名誕生

投稿者:  牧田司

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「ホームステージャー1級」合格者と日本ホームステージング協会関係者

 一般社団法人日本ホームステージング協会(代表理事:杉之原冨士子氏)は8月26日、同協会の資格認定制度「ホームステージャー1級」の第一期合格証授与式を行った。

 「ホームステージング」は、売却予定の自宅の資産価値を高め、より早くより高く売却するために専門のコーディネーターが家具や小物を含めたトータルコーディネートでインテリアを演出し、不動産売買のお手伝いするサービスのこと。わが国では馴染みはないが、米国では30年以上前から当たり前のように行われ、ホームステージャーという職業として活躍しているという。

 同協会は、わが国でも中古住宅流通が増え、ホームステージングなしには売却できない時代が到来すると予測し、日本独自のホームステージングの普及とホームステージャー育成を目的に2013年8月設立。

 「ホームステージャー」は、1日の受講と認定試験に合格した「2級」と、より専門的な知識と実践的な提案力を養う2日間の講座と認定試験に合格した「1級」があり、今回の授与式は1級合格者6名が対象。合格者3名(欠席3名)に同協会から合格証が授与された。

 合格証を授与した同協会理事・野口幸恵氏は、「ホームステージングはわが国にはまだ浸透していないが、ホームステージングの活動が必要な時代は必ずやってくる。合格された第一期生の皆さんは、インテリアに特化したコーディネーターとは異なる総合プロデューサーとして活躍していただきたい」と挨拶した。

 合格した小沼景氏(decora社長)は「18年前からリフォーム会社を経営しており、この資格を生かしてよりスピーディに不動産の取引ができるようにしたい」と話し、舘岡伸博氏(TSUNAGU不動産)は「新しい資格で営業マンとして売りになるものとして差別化を図っていきたい」と語った。もう一人の合格者の前田大樹氏(ポラスグループ中央住宅マインドスクェア事業部主任)は「欲しかった資格で、身が引き締まる思い。今後、不動産の価値をあげられるよう現場力、提案力を高めていきたい」と抱負を語った。

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左からそれぞれ合格した前田氏、小沼氏、舘岡氏(写真右は野口氏)

◇       ◆     ◇

 「ホームステージング」なる言葉があることすら知らなかった。似たような資格ではいずれも民間の資格制度「インテリアコーディネーター」と「インテリアプランナー」があり、前者は全国に約5.5万人、後者は約8.6千人いる。

 これらの資格と「ホームステージング」が異なるのは、片付けや掃除、引っ越し・保管なども含めたトータルな「家の演出」によって売却予定の住宅の価値を高めようという点にあるようだ。

 同協会の代表理事を務める杉之原氏は、引っ越しや梱包が主な業務の「サマンサネット」を経営しており、「引っ越しの際にお客さんの自宅にうかがうと、とにかく荷物が多い、遺品などの処理にも困っていらっしゃる。売却のネックにもなっている。片づけを勧めるのだが、『片付け』からのアプローチではなかなかビジネスにつなげられない。しかし、米国ではホームステージングが当たり前になっている。ここにヒントを得て、協会を立ち上げた。これから空き家が激増する。遺品整理もビジネスになる時代がやってくる。これまでとはまったく異なった視点で住環境の提案ができる人材を育てていきたい」と話した。

 取材をしながら、盲点を突いたビジネスだと思った。新築だろうと中古だろうと売買の際にもっとも悩む問題の一つに収納がある。マンションの場合、ほとんどのユーザーは「収納が足りない」という不満を抱えている。

 記者は、〝マンションの坪単価は200万円も300万円もするのだから、不要なものは捨てろ〟というのが持論だが、いざ自分のこととなると例えば本が捨てられない。片づけも掃除も苦手だ。

 このようにどう判断していいか分からない人に、プロとして的確なアドバイスができる人というのはありがたい存在だろう。いまは遺産、遺跡、古民家、骨董・古美術、リサイクル、リユース、レトロなどが流行り言葉になっている。ホームステージングがこれらの業種と連携すれば新たなビジネスも発生するかもしれない。

野村アーバン タワーマンション売りやすくする「ホームステージングサービス」(2014/10/31)

 

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