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2015/09/30(水) 00:00

モリモト「アールブラン大倉山」 坪239万円でも「高くない」評価

投稿者:  牧田司

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「アールブラン大倉山」完成予想図

 モリモトが分譲中の「アールブラン大倉山」を見学した。大倉山駅と新横浜駅からそれぞれ徒歩14分の中規模マンションで、坪単価239万円ながら販売開始3カ月で全82戸のうち約半分が売れている。単価上昇と〝東横線〟人気を象徴するマンションだ。

 物件は、東急東横線大倉山駅から徒歩13分、横浜市港北区大豆戸町に位置する7階建て82戸。専有面積は53.85~82.53㎡、坪単価は239万円。竣工予定は平成29年1月下旬。設計・施工・監理は新日本建設。デザイン監修はウイ・アンド・エフ ビジョン(石倉雅俊氏)。3か月前から分譲されており、これまでに約半数が分譲済みだ。

 現地は駅からややあるが、周辺は中層マンションが建ち並ぶ住宅街。物件に隣接してロマネスクだかゴシックだかアールデコだかしらないが、かなり派手な尖塔がたくさんある結婚式場が建設中なのは気になったが、嫌悪施設ではないようだ。

 設計プランは、市の高さ規制(20m)があるためか、高密度で、なおかつ容積率(300%)を満たす(消化)ためハーフバルコニータイプが多いのは難点だが、同社のいつもの商品企画レベルにはある。

 逆梁ハイサッシを採用し、2重床・2重天井で、ミストサウナ付き。82㎡のモデルルームのインテリアデザインを担当している鈴木ふじゑ氏の提案もいい。基本は3LDK+Sだが、約5畳大の洋室2室を1室にし、御影石のキッチン天板は幅約2800。

◇       ◆     ◇

 以前からこの東急東横線だけは相場観が狂う。坪単価予想はことごとく外れ、予想よりはるかに高い値段になる。

 なぜ外れるか。もちろん、東横線は東京と横浜を結ぶ線で、田園調布駅-日吉駅間は複々線になっており、目黒線(目黒駅-日吉駅間)が並走している。武蔵小杉駅ではJR横浜線と湘南新宿ラインとも接続している。

 このため横浜中華街から宇都宮ライン、西武池袋線、副都心線、半蔵門線、東武東上線、東武伊勢崎線、日比谷線との接続も楽で利便性は飛躍的に高まっているのは理解できる。これがマンション価格を引き上げている最大の要因であるのは分かる。

 しかし、東横線は渋谷から代官山、元住吉、日吉、菊名、妙蓮寺、白楽などは坂が多く、駅のターミナルも街路樹もプア(全部ではないが)で、道路は狭く、しかも蜘蛛の巣みたいに曲がりくねっているところが多い。生活利便施設だって他の沿線より恵まれているということはない。むしろ、昔から開発されたところだから、平地はもちろん坂にへばりつくように住宅が建てられている。平坦な住宅地が多いのは綱島、大倉山くらいだ。

 そんな街でも坪単価は高く、武蔵小杉の350万円を筆頭にみんな坪200万円をはるかに突破し、駅近だと300万円もする。どうして武蔵小杉が豊洲などの湾岸や世田谷と同じか上回るのか。この逆転現象がまったく理解できない。相場観が狂うのはこのためだ。

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 同社の物件ホームページに掲載されている現地案内図をコピーして大倉山駅から現地に向かったのだが、やはり道は狭く、車が通れるかどうかというところもあった。記者は車が嫌いだが、これでは誰が買うのかと思ったほどだ。

 現地周辺は中層マンションが建ち並びまずまずの住宅地を形成していたが、駅から徒歩13分はやや距離がある。最近の地価・建築費の高騰を考慮しても坪単価は200万円台の前半がいいところだろうと値踏みした。

 ところがどうだ。239万円もするではないか。数年前の駅近の相場だ。それでも分譲開始3カ月で半分近く売れているというから驚きだ。

 単価の高さと売れ行きに驚いたのだが、同社の担当者によると、来場者は駅からややあるのもそれほど気にせず、価格も妥当という声が多いという。

 来場者が納得するのは理由がある。最近分譲された大倉山駅から2駅目の妙蓮寺駅から徒歩2分の「プレミアムレジデンス横浜妙蓮寺」(39戸)は坪単価300万円だし、同じ大倉山駅から10分の野村不動産「プラウド大倉山ディアージュ」(40戸)が坪単価290万円で即日完売した事例があり、武蔵小杉では価格が暴騰していることもみんな知っているからだ。

 同社の販売担当者も、「お客さまから価格が高いとはあまり言われない。駅からの距離もそれほど気にされませんし、新横浜までも14分、バスを利用すれば数分の利便性と、モデルルームの提案が評価されています」とのことだった。

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 地元に詳しい関係者によれば、地域住民は子どもの通学コースを大綱小学校-大綱中学校を望む人が多く、中学校は市内でもレベルが高いという評判らしい。

 そこで、取材の帰り、中学3年生の2人連れに声を掛けた。このうちの1人は「藤沢の湘南高校を目指しています。多分受かる」と話していた。

 大倉山の人気はこのあたりにもあるのか。

 

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