三井ホームグループの三井デザインテックが10月21日、「綱町三井倶楽部」でプレスセミナーを開き、同社が推進するクロスオーバーデザイン」の説明と懇親会を行った。関係者ら約100人が集まった。
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セミナーでは、同社のデザインラボラトリー所長・見月伸一氏や世代・トレンド評論家・牛窪恵氏ら数人が登壇して「クロスオーバーデザイン」について語り合った。
「クロスオーバーデザイン」とは、ホテル、住宅、オフィス、商業施設など異なる「モノ」としての空間性質を掛け合わせ、「モノ」の先にある「コト」をデザインすることで、新しい生活体験を提案することと位置付けられている。
女性の価値観を研究しているという牛窪氏は、「ライフステージが多様化、複雑化しており、エリア格差も広がっている。駅の北と南ではそれこそ文化が異なる。これらをクロスオーバーして観ることが求められている。また、SNSの発達により情報も膨大になっており、その情報をどう空間に落し込んでいくのか、とにかく現場に足を運び、五感で知ることが大事」などと話した。
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同社が手がけるマンションや一戸建てのモデルルームデザインは数えきれないほど見学している。デベロッパーはパンフレットなどにその旨を必ず記載することからも、同社のデザイン力が優れていることは身をもって体験している。
同社ソリューション推進部のチーフデザイナー・山野奈緒氏によると、約30人のデザイナーのうち女性は8割を占めるそうで、同じチーフデザイナーの山口昭彦氏はもっぱら「推進役、調整役」だそうだ。
「女性活躍」の視点からすれば、この分野は圧倒的に女性が強い。男性諸氏も頑張っていただきたい。
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当日は、RBA野球の記事を書くのを優先させたためセミナーには大幅に遅れたのだが記者の目的は他にあった。会場となった三井グループの迎賓館である「綱町三井倶楽部」の建物をとにかく観ることだった。
建物の敷地面積は約一万坪。完成は大正2年。設計したのは「鹿鳴館」「ニコライ堂」「三菱一~三号館」「大谷美術館(旧古河庭園)」「諸戸清六邸」など、明治から大正にかけて数々の作品を手掛けた英国人建築家のジョサイア・コンドルだ。現存する建物は数えるくらいしかない。「綱町三井倶楽部」はその中の一つだ。
これまで、外からは何度も眺めたが、建物の中に入ったことはない。三井不動産も記者会見などを行ったことはないはずだ。
なので、こんな機会は二度と訪れそうもないので、了解を得て写真を撮りまくった。
懇親会では白ワインを結構飲んだが、料理はサザエのフレンチを2個(サザエは酒と醤油を少し垂らしてそのまま焼くか蒸し焼きにするのが一番おいしい)とイカのオードブルなど2つを食べただけだ。食べる暇も誰かと話す機会などなかった。
とにかく写真をご覧いただきたい。三井財閥の重鎮がここで客をもてなし歴史をつくってきたのだと思うと言葉が出ない。