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2015/11/19(木) 00:00

ポラスグループ 〝オールポラス〟で初のリノベ「天王台」はバブル仕様

投稿者:  牧田司

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「ルピアージュ天王台」

 ポラスグループの戸建てやマンション事業を展開する中央住宅マインドスクェア事業部は11月19日、同社初の一棟リノベーションマンション「ルピアージュ天王台」の記者見学会をおこなった。バブルの絶頂期、平成2年に竣工した三井住友海上の社宅で、施工は清水建設。PC工法のため躯体はいじられていないが、専有面積は約90㎡、中住戸にはすべてライトコートが付いており、当時の質の高さがうかがわれるマンションだ。6つのプラン提案もいい。

 物件は、JR常磐線天王台駅から徒歩10分、千葉県我孫子市柴崎台3丁目の第一種低層住居専用地域に位置する3階建て全24戸。竣工は平成2年3月。施工は清水建設。三井住友海上の社宅として建設された。第1期(8戸)の専有面積は89.99㎡、価格は2,690万円~3,090万円、坪単価は105万円。リノベの施工は川村工営。入居時期は平成28年3月末。

 14日から販売を開始しており、14、15日の2日間で来場者は約60組。契約・申込は5件。

 現地は、クスノキの街路樹が美しい表通りから少し入った閑静な区画整理事業によって街づくりが進められた住宅街。敷地南側は窓先から約7mあり、6m道路に面している。

 建物は今年6月、6社の入札により同社が取得。PC造のため躯体とサッシは従前のものを使用しているが、設備仕様は同社のマンションブランド〝ルピアコート〟と同じものを採用。食洗機、ソフトクローズ機能付き引き戸は標準装備。断熱材は従前の15ミリ厚から25ミリ厚にしている。

 発表会で挨拶した同社取締役・金児正治氏は「2年前から戸建てだけでなくマンション事業も担当するようになったが、当初掲げた①分譲マンション②再開発事業③複合開発④建て替え⑤リノベーションのうち、複合開発と建て替えを除き動き出してきた。リノベマンションは初めてだが、〝オールポラス〟のプロジェクトだ。販売を自社で行うものその一つだが、当社の組織に横串をいれて、それぞれがクォリティを高められるようにした。モデルルームは6タイプを擁したが、それぞれ別の部門が競い合うように企画を任せた。来年春には全50戸の『田無』も見ていただける」と話した。

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「ホビーブースのある家」(ポラスのリフォーム)

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「素材を味わう家」(ポラス暮し科学研究所)

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廊下はメーターモジュールで段差部分をライティングしている「素材を味わう家」(ポラス暮し科学研究所)

 ◇      ◆     ◇

 いつも通り、単価予想を立てた。最初に考えたのは坪単価100万円だった。駅からの素敵な街路樹を眺め、6つのモデルルームを見学して上方修正した。坪120万円をつける自信はなかった。やはり天井高が2400ミリで、トイレ、バスには段差があること、サッシは単板ガラスだったからだ。

 見学後、105万円という単価を聞いて、同社がこの物件の良さをアピールできれば「3カ月で売れる」という確信を持った。

 従前の建物の基本性能がまず素晴らしい。読者の皆さんは平成2年のマンションの相場などご存じないだろうが、この社宅を分譲していれば間違いなく坪200万円どころか250万円くらいしても売れははずだ。

 居住面積が90㎡で、中住戸にライトコート付き、施工は清水というのは大企業の社宅しかできないレベルの高さだ。廊下幅はメーターモジュールを採用している。今回のリノベはその建物の価値をはるかに高めている。同社はいい物件を仕入れたものだ。目利き力もあると見た。

 天王台というエリアで、これだけの集客、申込みが出来たのは、地域に根ざした事業展開をしてきたからこそだろう。エリアの顧客特性を熟知し、仕入れ、企画、設計、施工、販売までを市場ニーズに合わせて提供できたことが支持を得ているのだ。来場者の91%が我孫子市内からで、物件のある芝崎台からが56%という数字に、地域を知り尽くしていることがうかがわれる。

 販売を担当する同社ソリューション事業部千葉営業部部長・鈴木健一郎氏が「来場者の方から絶妙な値付けと言われた」と話した。これも地域を熟知しているからこそ、目利き力があるからこその言葉だ。

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「カフェ・リビングの家」(住宅資材センター リフォーム部)

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「猫かわいがりの家」(ポラスグランテック)

◇      ◆     ◇

 用意されたモデルルームの優劣を自分なりに採点してみた。最初に見た3階の天井高が最大3m近くある「ホビーブースのある家」(ポラスのリフォーム)を100点とした。

 2つ目に見た、これも3階の「素材を味わう家」(ポラス暮し科学研究所)は、水回り部分に段差があるのを逆手にとって、その段差部分のところをライティングする演出を行っていた。さらにオプションだが本物のスギの羽目板を壁に採用していた。とっさに「これが最高」と思い130点とした。

 3つ目の「カフェ・リビングの家」(住宅資材センター リフォーム部)と4つ目の「猫かわいがりの家」(ポラスグランテック)はコンセプトはいいが、記者の好みではない。「猫」は猫のトイレもないし、住居を出入りするところもない。1階で提案すべきだった。よって「猫」は95点、「カフェ」は93点とした。

 5つ目の「mama’sコーナーのある家」(マインドスクウェア事業部マンションDv)は、共働きのファミリーをターゲットにしたプランで、壁にエコカラットを採用し、物干しポールも設置していた。プレゼンを行ったのは2歳のお子さんを抱える西牟田奈津子氏で、これも抜群によかったので、「暮し科学」に次ぐ105点とした。

 最後に見た「モダン和室のある家」(マインドスクェア事業部女性チーム)は、はっきり言えばよく見なかった(質疑応答の時間が迫っているようで、早く見学を終えろというプレッシャーを感じた)。畳コーナーの提案はいいが、キッチンのほぽ中央の壁に洗面、バスに通じる開き戸があったのはいかがなものか。引き戸にできたはずだし、せめてドアは壁と一緒の白にすべきだと思った。なので、こちらは95とする。

 ところがだ。質疑応答で、来場者の一番人気はなんと「モダン和室」で、2番目が「mama’sコーナー」であることを知らされた。記者に見る目がないのか、自信が揺らいできたが、やはり「暮し科学」が最高だ。同社は戸建てがメインだから、段差の部分にライトを当てることなど朝飯前なのだろう。

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「mama’sコーナーのある家」(マインドスクウェア事業部マンションDv)

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「モダン和室のある家」(マインドスクェア事業部女性チーム)

 

 

 

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