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2015/11/26(木) 00:00

億住戸がもっとも多いのは「目黒」ではなく「広尾ガーデンフォレスト」ではないか

投稿者:  牧田司

 東京建物が11月16日付で「Brillia Towers 目黒」全661戸が最高倍率43倍、平均4.1倍で完売したというニュースをリリースした。今年4月以降のモデルルーム来場者は約1万組に達し、平均1億1,434万円のマンションがわずか4カ月で完売したというのは前代未聞だ。

 しかし、このリリースが出たとき、記者は「1億円以上住戸は365戸となり、これまで販売されたマンションのうち最多戸数」という文言が引っかかった。そうではないという直観だ。

 その後、ずっとこのことが頭から離れなかった。同社がデータの根拠として挙げたのはMRCの1993年以降の調査だった。

 記者はそれより多いのではと真っ先に考えたのは「広尾ガーデンヒルズ」だった。昭和57年から分譲開始された全1,181戸の規模で、平均単価は350万円くらいだった。30坪で億ションになるので、ひょっとすると億住戸は300戸を超えるのではないかと思った。

 もう一つは、2007年から分譲された定期借地権付きの三井不動産レジデンシャル・三菱地所レジデンス「広尾ガーデンフォレスト」だ。全630戸で単価は坪533万円。こちらも過半は億ションだったはずだ。

 そこで、MRCと他の民間調査会社、「広尾」の売主の1社である三井不動産に問い合わせた。その結果、三井不動産からは「詳しいデータはなく、担当者が一つ一つ調べた結果、『広尾ガーデンヒルズ』は億住戸が百数十戸しかないが、『広尾ガーデンフォレスト』は400戸以上あるようだ」との回答が得られた。

◇       ◆     ◇

 記者は東建のリリースに異議を申し立てるつもりは全くない。「目黒」の驚異的な売れ行きは今後もずっとマンションの歴史のなかに刻み込まれることだろう。

 しかし、事実は事実として正確を期したい。現時点で億住戸がもっとも多い分譲マンションは「Brillia Towers 目黒」ではなくて「広尾ガーデンフォレスト」ではないか。この点についてMRCにも問い合わせた。同社は「『広尾ガーデンフォレスト』は定期借地権付きなので、データから除外している」とのことだった。「分譲マンション」から定期借地権付きを除くかどうかは見解が異なるかもしれないが、記者は定借も「分譲マンション」だと解釈している。

 「広尾ガーデンフォレスト」は分譲開始時に「究極の億ション」と記事にしたが、いまでもそれは変わらないと思う。設備仕様はこのマンションを上回る物件は後にも先にも供給されていない。記者がもっとも好きな億ションは三井不動産「麻布霞町パークマンション」だと思っているが…。

究極の億ション 三井&三菱「広尾ガーデンフォレスト」(2007/2/23)

 

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