RBA OFFICIAL
 
2015/11/30(月) 00:00

家具材も地産地消へ 生産者と若手デザイナーをつなぐ「日本の木 ニッポンの家具」

投稿者:  牧田司

IMG_3954.jpg
「日本の木 ニッポンの家具」ブース(東京国際展示場で)

 日本家具産業振興会は11月25日(水)~27日(金)、東京国際展示場で行われた「IFFTインテリア ライフスタイル リビング」で、国産材生産者、メーカー、若手デザイナーを繋ぐ「日本の木 ニッポンの家具」を出展。国産材活用の場を広げようというのが目的で、多くの家具メーカーのほか全国から公募で選ばれた27組41名のデザイナーがそれぞれの地域材を用いて展示した。

◇       ◆     ◇

 国産材を家具にも採用しようという機運が高まっているのは結構なことだし、初めて生産者-メーカー-デザイナーが三位一体で国産材活用をアピールするというので取材することにした。

 できれば小野由記子氏(小野意匠計画代表)かトークショーに出席された初日に取材したかったのだが、都合がつかず、最終日の27日に取材した。それでも多くの収穫があった。

 配布された資料によると、わが国の家具メーカー(100社回答)は輸入材を使用する割合が7割以上という回答が67%に上っており、国産広葉樹は量が少ないうえ、家具に適したサイズ(36~50㎝)のものが少なく、安定的に確保することが困難だとしている。

 その一方で、材料が入手しやすく、安定的で価格が安ければ国産材を使う「可能性がある」と答えたのは85%に上っていることも分かった。

 さらに、国産材活用のために何らかの取り組みを行っているのは41社あり、国産材を家具に採用する機運が高まっているという。これまで強度不足から用いられてこなかったスギ材も加工技術を生かして活用しようという動きもあるという。

IMG_3938.jpg

◇       ◆     ◇

 若手デザイナーの作品をいくつか紹介する。まず、世界を舞台に活躍されているわが故郷・三重県鈴鹿市のHiroki Takada(高田浩樹)氏の作品。

 写真は北海道産のシナノキの古木を用いた作品で、箱根・彫刻の森美術館が購入を検討しており、今井敏・林野庁長官も腰かけられたそうだ。

 Takada氏の作品はニューヨークなどの美術館に多く展示されているそうだ。「ミラノサローネに出品したのがきっかけで、海外を中心に活動するようになった。わが国のようにコミュニティが濃密でないから、作品そのものが評価されるのがいい」とTakada氏が語っていたのはやや気になった。名刺も英語表記だった。

IMG_3943.jpg  IMG_3942.jpg
Takada氏の作品と作品に座るTakada氏

IMG_3940.jpg
ヒノキ(左)と秋田杉を桶風にデザインした酒井篤志氏の作品

IMG_3941.jpg
鳥取の智頭杉を用いた白岡崇氏の作品

IMG_3945.jpg
「東京杉」を用いた伊藤洋平氏の作品

IMG_3952.jpg
広島・松岡製作所のキッチンと吉野杉をコラボした特注のシステムキッチン(350万円とか)

IMG_3949.jpg
静岡・焼津市の神野克昭氏の作品

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン