建築中の「ポラス建築技術訓練校」実習棟の内部
ポラスグループは1月14日、国交省「平成27年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択された「ポラス建築技術訓練校」の構造見学会を報道陣向けに行った。
「先導事業」は、再生可能な資源である木材を大量に使用する木造建築物の技術向上に資するとともに普及啓発を図ることを目的とした補助事業。
同社の訓練校は一般に流通する安価な集成材を合せ柱・合せ梁・重ね梁として複数本集束させることで強度を高める技術を開発したのが特徴。「実例モデル」として公開することで木造非住宅の受注と同工法の普及促進を図る狙いがある。
建設地は埼玉県越谷市レイクタウン六丁目。建物は木造軸組工法3階建て準耐火構造。延べ床面積約1,396㎡(実習棟約549㎡、事務所棟約846㎡)。竣工予定は平成28年3月。
「合せ柱」の据え付け(1辺315ミリ)
美しい実習棟の天井(完成時にはボードで覆い隠されるのか)
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見学会では同社の担当者数人が建物の概要、構造設計、構造部材、耐火性能、施工状況などについて説明した。例えば、「合せ柱」は105×105の集成材を9本集束したものだが、防耐火性能を満たすためには各集成材ごとに燃えしろを確保しなければならず、構造計算上難しいことから、燃焼実験を経て問題がないことを確認して設計しているという-こんなことを書いても書いている本人が理解できないので、これ以上書かない。
大変な苦労があったということだろうが、それでも実習棟は縦30m×横12m×高さ6mの大空間がすべて木造でできているのはよくわかった。梁などは欧州マツだが、柱は国産のカラマツを使用したという。完成後も木造建築物であることを知ってもらうために、道路沿いの外観はカーテンウォールとし、視覚的に木造であることが分かるように工夫している。
3階建ての事務所棟は最大10m×8mスパン。室内の一部を表しとし、テラス外周部を回廊とし、木製格子パネルを設置して木質感を演出する。
重ね梁の設置
架構状況
事務所棟の内部