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2016/01/27(水) 00:00

全国初の「特区民泊」 大田区の事業説明会に定員の2倍200名参加

投稿者:  牧田司

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「特区民泊」事業説明会(大田区立消費者生活センターで)

 全国初の「特区民泊」説明会に定員の2倍の200名-東京都大田区は1月27日、全国で初めて施行される「大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)」説明会を行ったが、定員100人の2倍の約200人が参加。席に座れず立ったままで説明を聞く人も多くみられた。報道陣も数十人が詰めかけ、会場は人であふれた。条例は1月29日に施行される。

 「特区民泊」は、①7日以上(6泊7日)施設を利用させること②居室の面積が25㎡以上であること③清潔な居室環境にあること④廃棄物の処理方法が適切であること⑤外国人に必要な役務を提供すること⑥所轄の消防署の審査を経ること⑦近隣住民への周知を行うこと-など一定の要件を満たせば旅館業法の適用除外を受けられるというもの。

 同様の条例は大阪府(施行日は未定)と大阪市(施行日は平成28年10月以降)にあるが、同区が全国に先駆けて施行する。

 説明会で挨拶した同区生活衛生課長・三井英司氏は「全国初の試み。外国人の旅行者に安心・安全で質の高い民泊を提供し、リーディングケースとなるよう第一歩を切りたい」と話した。

◇       ◆     ◇

 記者は「民泊」にほとんど関心はないし、知識もない。ただ、分譲マンションの空き部屋などが民泊施設として利用されないかという危惧を抱いているので、どのような人が申請するのか興味があって取材することにした。なので、記事の当否については自信がないことを最初にお断りしたい。

 まず、分譲マンションが特区民泊として利用されるかどうかだが、これはないとひとまず安心した。一般的な分譲マンションは管理規約で「専ら居住」が定められているはずで、「業」として不特定多数の人に短期宿泊させるのは規約違反となりそうだ。住民も管理組合も認めないのではないかと思う。管理規約があいまいで、事務所化、賃貸化が進んでいる古いマンションが民泊施設化する可能性は否定できない。

 これから申請を考えている人もいるのだろうが、条例の要件をクリアするハードルは低いようで高い。例えばゴミ出し。一般家庭のゴミ出しと異なり、事業者用のゴミ出しルールを守らないといけない。分別は当然ながら、出す場所も異なるし、燃えるごみは区の許可業者の、その他のゴミは産業廃棄物として都の許可業者にそれぞれ依頼しないといけない。

 また、テロ対策、感染症対策、違法薬物の使用、売春などを防止する目的から警察の滞在者の名簿の提出や照会に協力すること、挙動に不審の点が見られたら警察に通報することも求められる。

 近隣住民の苦情が頻繁に出るようでは「外国人に安全で安心な役務」を提供することにならず、特定認定を取り消されるリスクもある。

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 条例の施行によって区内でどれだけの特区民泊が申請されるか。これも大きな関心事だが、三井課長は「1社で年内に1,000部屋くらい申請したいという業者もあると聞くが、どうなるか分からない」と語ったように、ふたを開けてみないとわからないのが現状のようだ。

 ただ、説明参加者には、「マンションの購入を含めて民泊を検討したい」という28歳の男性が語ったように、民泊をビジネスにしようという業者や、投資用として民泊施設を購入しようと考えている人もいるのかもしれない。参加者の中には若い人の姿が多いのが目立った。

 

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