「横浜MIDベース タワーレジデンス」完成予想図
横浜市住宅供給公社が2月中旬~下旬に分譲する「横浜MIDベース タワーレジデンス」を見学した。商業・保育所・診療所・有料老人ホーム・地域交流施設を併設した複合大規模開発で、鹿島建設の免震・SI工法を採用。商品企画レベルが高く、申し込みが殺到しそうだ。資料請求は3,000件に達している。
物件は、横浜市営地下鉄ブルーライン高島町駅から徒歩3分(京浜東北・根岸線横浜駅から徒歩13分)、横浜市西区花咲町6丁目に位置する18階建て全199戸(他に老人ホーム定員100名予定、保育所、診療所、物販店舗)。専有面積は56.73~87.70㎡、価格は未定。竣工予定は平成29年11月下旬。設計は鹿島建設、施工は鹿島・紅梅組建設工事共同企業体。販売代理は野村不動産アーバンネット。従前はJTの施設。
現地の最寄り駅は高島駅だが、横浜駅、桜木町駅、みなとみらい駅も徒歩圏にあり、建物は鹿島の免震・SI工法を採用し、商業施設や保育所、有料老人ホーム、地域交流施設などが併設される複合開発であるのが最大の特徴。
商品企画レベルも高く、「CASBEE横浜」Aランクを取得。長期優良住宅の認定を受ける予定だ。住戸は4階以上で、内廊下方式を採用。全18タイプ。フィオレストーンキッチンカウンター、グローエ水栓、食洗機、吊戸棚、トイレドア幅75センチなどが標準装備。
◇ ◆ ◇
横浜公社のマンションといえば、最近では「横浜ポートサイド」「マークワンタワー長津田」が忘れられない。別掲の記事を参照していただきたいが、大手デベロッパーが供給するマンションとそん色ないどころか、ユニバーサルデザインなどは民間をしのぐレベルの高さだった。
今回も同様だ。モデルルームは柱・梁型がややあったのが気にはなったが、折り上げ天井にするなどうまく処理していた。
面白い取り組みでは、5階の屋上コミュニティ広場に「屋上養蜂」を行うことだ。年間30~50キログラムを採取し、地域交流の場でお年寄りや子どもたちが食べるのだそうだ。
養蜂を取り巻く環境は生態系の崩壊などにより悪化の一途をたどっており、関係者は危機感を募らせている。ミツバチはどこに花を求めるのか心配だが、横浜のど真ん中で養蜂を行うというのがうれしいではないか。
◇ ◆ ◇
さて、肝心の価格。坪単価は最低で300万円、高値追及するなら350万円と見たが、公社は極力価格を抑えると読んだ。320万円くらいでないか。
三井デザインテックの遠藤瑠衣氏がコーディネートしている東南角の10~18階の87㎡のタイプは、億ション(坪400万円として)となりそうだ。「横浜ポートサイド」では4戸が億ションだった。
公社が億ションなどと書くと批判される向きもあるかもしれないが、そういうプレッシャーをかけるからつまらない当たり障りのないプランになる。みなとみらいエリアは坪400万円をはるかに突破しているではないか。安売りは横浜市民のためにならない。地域のポテンシャルを高める役割も横浜公社は担っている。
首都圏で分譲事業を継続して行っているのは横浜公社と川崎公社だけになってしまったが、これからも民間とは一味違った質の高いマンションを供給してほしい。
87㎡のモデルルーム