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2016/01/29(金) 00:00

20haの森が借景 水琴窟も設置 三菱地所レジ「ザ・パークハウス 国分寺緑邸」

投稿者:  牧田司

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「ザ・パークハウス 国分寺緑邸」完成予想図

 三菱地所レジデンスが分譲中の「ザ・パークハウス 国分寺緑邸」を見学した。約20.7haの「日立製作所 中央研究所」の森に隣接し、その借景が眺められる希少物件で、生物多様性の保全に配慮したマンションで、第1期販売も好調なスタートを切った。

 物件は、JR中央線国分寺駅北口から徒歩4分、国分寺市本町4丁目に位置する8階建て全82戸。専有面積は56.38~93.49㎡。現在分譲中の住戸(9戸)の価格は6,128万~1憶2,480万円。坪単価は350~360万円。竣工予定は2016年10月中旬。施工は南海辰村建設。デザイン監修は南條設計室(南條洋雄氏)。

 第1期45戸が1月24日までに分譲され、そのうち36戸に申し込みが入った。億ション4戸のうち3戸に申し込みが入ったように、価格の高い住戸の人気が高いという。

 敷地は、約20.7haのうち約45%が緑地を占める日立製作所中央研究所に隣接。日立製作所の役員用社宅跡地。

 研究所の森は「野川」の源流にもなっており、この環境を生かすため、三菱地所レジデンスが2015年2月に始動した生物多様性保全の取り組み「BIO NET INITIATIVE(ビオネットイニシアチブ)」の一環として、ランドスケープデザインに力を入れているのが大きな特徴だ。

 敷地南側の道路沿いの植栽帯「万葉の路」には「万葉集」に歌われた植物を和歌も添えて配置。敷地内の舗道は透水性とし、雨水を一時的に溜め、土に浸透させる「レインガーデン」を設ける。全居住者が隣接する森を享受できるようエントランスからホール-ラウンジ-フォレストテラスがほほ直線で、隣接の森の借景も眺められるようにする。

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◇       ◆     ◇

 共用施設・設備仕様レベルが高いのも特徴の一つだ。エレベータは3基で、エントランスホールには水琴窟(すいきんくつ)を設置する。各住戸はディスポーザー、食洗機、ミストサウナのほかキッチン御影石カウンター、洗面化粧台御影石カウンター、玄関御影石などが標準装備。オプション仕様だが93㎡のモデルルームタイプの出来が素晴らしい。売れるのも当然だろう。

 水琴窟をご存じない方もいるかもしれないので、少し説明しよう。水琴窟とは、「日本庭園の装飾の一つで、手水鉢の近くの地中に作りだした空洞の中に水滴を落下させ、その際に発せられる音を反響させ、手水鉢の排水を処理する機能をもつ」(ウィキペディア)仕掛けだ。

 仕掛けによって音色は様々だが、「キーン、コーン、カーン」というのが基本。立ち去るのが惜しくなるような美しい澄んだ音を出す。

 昔は、民家の離れのトイレにもよく用いられていた。今では寺や旅館・料亭、ホテルなどでは見かけるが、大手デベロッパーがマンションに設置したのは見たことがない。

 これほど商品企画に力を入れているのは、国分寺駅北口の再開発マンション、住友不動産「シティタワー国分寺 ザ・ツイン」(587戸)や南口の野村不動産「プラウド国分寺」(125戸)を意識しているからだと判断した。住友「国分寺」は坪400万円をはるかに突破し、420~430万円、ひょっとすると450万円くらいになるのではと見ている。野村は三菱地所レジより少し安くなるはずだ。

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ラウンジ

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 先日は、約50haの赤坂御用地の正門前に位置する住友不動産のマンションを見学したが、今回は規模こそ4分の1だが、国分寺崖線の段丘上にある森に隣接するという、これまたすごいマンションだ。森にはオオタカも生息するそうだ。

 森は立ち入り禁止であることは三菱地所レジデンス関係者から聞いていたが、ものは試し、当たって砕けろ、正門にある守衛所で単刀直入に「森を見せていただけないか」と頼んだ。

 やはりダメだった。日立グループの会社でも見学不可という。聞いたところでは、年2回の公開日は天候などにもよるが、多いときは1万人くらいが訪れるそうだ。

 どのような森か、日立製作所のホームページから引用する。

 「中央研究所の創設は、昭和17年にさかのぼります。…ここは、奈良時代に 聖武天皇が全国に建立した国分寺の一つ、武蔵国分寺の旧地に当たります。…

 この由緒ある地に研究所を創設するに際しましては、小平浪平創業社長の『よい立ち木は切らずによけて建てよ』という意志を受け、構内の樹木は極力守られました。その精神は現在も継承され、今日見る武蔵野の面影をとどめた美しい研究環境が保持・整備されてきました。 春夏秋冬、季節の移ろいのみごとさは、研究者達の心をなごませ、またそれは人と自然の一体感を生み、科学する心を育んできました。

…樹齢百年余の欅やヒマラヤ杉の大木。構内には約120種2万7千本の樹木が茂っていますが、中には化石期の植物といわれるメタセコイアなど珍しい植物もあります。南側の大池は、昭和33年に完成したものです。この池は、ハケと呼ばれる湧水を集めて流れる野川の源流の一つにあたり、大池も構内数ヶ所の湧水を利用して湿地に造られました。 池の白鳥、マガモをはじめ、林に群れる野鳥は、カワセミ、ヒヨドリ、カルガモなど40種を越えます」

 さすが日立だ。20haというのは約16haの日比谷公園より広く、これより広い緑がある敷地は明治神宮などの宗教法人か大学のキャンパス以外にないはずだ。何と中央研究所など同社の6事業所が「生物多様性保全につながる企業のみどり100選」に選ばれている。

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モデルルーム

 

 

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