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2016/02/02(火) 00:00

東急不動産 ランドスケープデザインがいい「ブランズシティ久が原」

投稿者:  牧田司

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「ブランズシティ久が原」完成予想図

 東急不動産が2月下旬に分譲する「ブランズシティ久が原」を見学した。久が原駅と鵜の木駅のほぼ中間に位置する大規模マンションで、ランドスケープデザインが優れており、全体として設備仕様レベルが高いのが特徴だ。

 物件は、東急池上線久が原駅から徒歩4分、または東急多摩川線鵜の木駅から徒歩5分、大田区鵜の木一丁目に位置する12階建て全278戸の規模。専有面積は56.40~94.83㎡、価格は未定だが坪単価は320~330万円くらいになる模様。竣工予定は平成29年1月下旬。施工は大豊建設。設計・監理はデザインネットワークス。

 現地は、久が原駅からだと駅前の商店街を抜けた環八通りに面した一角。敷地面積は約8,400㎡。敷地全体を提供公園や「オークプロムナード」など緑で囲い、敷地中央には「ディライトガーデン」を配し、緩やかな傾斜を生かしせせらぎも設ける。既存樹の一部も残している。駐輪場の屋根の緑化も施している。

 建物はコの字型に配棟。外壁の一部にはハンドメイドタイルを貼り、ガラス手すりには和紙の文様が施されている。

 住戸プランの特徴は、全戸にマルチストレージを設置しているほか、キッチン・トイレ・洗面のカウンタートップは御影石。このほかユーティリティシンク、ディスポーザー、食洗機、ハンス・グローエの水栓などが標準装備。

 来場者の声としては、設備仕様についての評価が高いという。

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「ディライトガーデン」

◇       ◆     ◇

 現段階では価格が未定なので何とも言えないが、坪単価は320万~330万円くらいに収まると見た。仮にこの単価であれば、城南エリアでも駅近物件はことごとく坪300万円台の後半から400万円を突破してきている現状を考えると、環八に面しているのは割引だが割安感がある。

 ランドスケープデザインがよく、設備仕様レベルも高い。完成すれば素晴らしいものに仕上がるのではないか。パンフレットには日建ハウジングシステムの担当者が登場し、外構などについて語っているが、樹木移植工法に石勝エクステリアの「TPM工法」が採用されているので、日建がプランを担当し、石勝が施工したと思われる。

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「オークプロムナード」

◇       ◆     ◇

 このマンションについては、近隣住民の反対運動がマスコミに報道され、大田区が建築物の絶対高さ規制を検討中ということもありいろいろ論議もされているようだ。

 「緑を守れ」という運動は理解できる。しかし、企業も生き延びるためには事業活動を継続して行わなければならず、当然に産廃やCO2排出、環境悪化も伴う。だからこそ各デベロッパーは環境保全、生物多様性、CO2削減に取り組んでいる。個別の事案ではなく、トータルとしてデベロッパーを評価してほしい。

 絶対高さ規制については、区が昨年7月30日に開催した都市計画審議会で論議が紛糾し、継続審議することを決定。当初予定していた「平成27年度決定・告示予定」は延期となり、来年度以降に持ち越された。当初の計画通りだと254棟が既存不適格になることが区から報告されている。

 小西恭一・都市計画審議会会長はその日の会合で、「本日、18名の内11名出席ということで定足数を満たし、開会していただいたわけですが、専門的な見地から、都市計画の見地から本制度についてさまざまなご指摘、ご意見を伺って、専門的な内容を深めていくという審議会の本来の役割を発揮していただくためには、学識経験の皆様が4名ご欠席という状況は、私ども準備する側の立場といたしまして、非常に不十分な状況」と述べている。

 絶対高さ規制には記者は反対で、これまでも何度も触れてきたのであまり書かないが、次の区の規制の目的が理解できない。

 「街並みの急激な変化及び高い建物が建つと、日影、風害、眺望とか、圧迫感などいろいろな住環境への影響が考えられます。そうした中で、紛争を未然に防ぐという観点で、各地域においてあらかじめ絶対高さが示されることにより…制限される建築物の高さをイメージしていくことが容易になります。そういったことから、周辺住民間で共有することで…町並み、景観の保持、住環境の悪化を防ぐ」

 高さ規制を強化すればマンション紛争が少なくなるのか、そんなデータがあるなら示してほしい。高い建築物がダメというのであれば、どうして街のど真ん中のスカイツリーや東京タワー、五重塔がよくて、山上の仏像も許されるのか。

 規制をかけなくても建蔽率・容積率、斜線制限、日影規制などによりおのずと建物の絶対高さは決まってくるし、地区計画でも対応できる。

 絶対高さ規制は間違いなくマンションの居住性を低くし、景観も悪化させると思う。今回の同社のマンションでも総合設計制度を弾力的に運用すれば公開空地も生まれ、環境保全や地域のコミュニティにも貢献できると思うが、総合設計制度はどんどんハードルが高くなっている。

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和のテイストを盛り込んだラウンジ

 

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