「クレヴィア戸塚」完成予想図
伊藤忠都市開発(事業比率80%)と神奈川中央交通(同20%)が共同で分譲する「クレヴィア戸塚」を見学した。戸塚駅前の再開発地内に横浜市住宅供給公社が建設する複合施設建物を両社が譲り受けて分譲するもので、官民協業の良さが十分発揮されているマンションだ。
物件は、JR東海道本線・横須賀線・湘南新宿ライン・横浜市営地下鉄ブルーライン戸塚駅から徒歩2分、横浜市戸塚区吉田町に位置する10階建て全90戸(分譲戸数は86戸)。専有面積は25.01~73.48㎡、価格は未定だが坪単価は300万円を突破する模様。竣工予定は2017年2月下旬。事業主は横浜市住宅供給公社。販売代理は伊藤忠ハウジング。設計・監理は工藤建設・奥野設計共同企業体。施工は工藤建設。
現地は、駅前の商業施設などが集積する商業地域立地。徒歩1分の駅前ビル「戸塚モディ」から地下通路でJRとつながっている。
建物は逆梁ハイサッシ、二重床・二重天井、食洗機、ミストサウナ、グローエ水栓などを装備。24時間ゴミ出しも可能。マンションでは珍しい排気と吸気の熱エネルギーを交換することで室内の熱を逃すことなく換気し、省エネ性を高めた「ロスナイ換気システム」も採用。
販売を担当する伊藤忠ハウジング営業第1部課長・細谷肇氏は、「反響は1,000件以上、来場は260~270組。戸建てからの住み替えを考えている高齢者の方や単身・DINKS層まで幅広く集客できている。公社のユニバーサルデザインがふんだんに盛り込まれており、フローリングや建具などは伊藤忠の提案も取り入れられている」と、物件に自らほれ込んでいた。
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横浜市住宅供給公社のマンションは先月「横浜MIDベース タワー」を見学しているが、こちらは規模こそ小さいが、〝さすが公社〟と唸るような設備機器が採用されていた。「ロスナイ換気システム」だ。
通常、マンションには外壁と通じる壁に換気口が設けられているが、このマンションにはそれがない。そのために夏は暑い、冬は冷たい外気が室内に入るこむことがなく、音もシャットダウンできる。どうしてマンションにこれまで採用されてこなかったのか、それとも記者が採用されているものを見逃してきたのか。
「ロスナイ換気システム」は三菱電機製で、同社にこれまでのマンション採用実績などについて問い合わせたが、教えてもらえなかった。
住戸プランは70㎡台が中心だが、北向きでそれぞれ7戸ある25㎡(7戸)、31㎡(7戸)、40㎡(7戸)のタイプも人気を集めるのではないか。設備仕様レベルは民間の普通のマンションをはるかに超える。細かいことだが、三面鏡には曇り止め機能がついていた。
横浜公社と伊藤忠都市開発の組み合わせは、2009年に分譲された「アイ マークス横浜桜木町」もある。他の公社は分譲事業からほとんど撤退してしまったが、横浜公社は異彩を放っている。
キッチンは伊藤忠都市開発の「モット・キッチン」
今度は横浜のど真ん中 人気必至の横浜公社「横浜MIDベース タワー」(2015/1/28)
横浜市住宅供給公社&伊藤忠都市開発 「アイ マークス横浜桜木町」が販売好調(2009/2/19)