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2016/03/03(木) 00:00

RBA 川口市の幼稚園・小学校に「ヤレ紙」贈呈 金畑氏、平元氏が出席

投稿者:  牧田司

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「みなさん、このロール紙はどこまで伸びるでしょ」南平幼稚園・福嶋園長

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「宇宙まで! 」園児

RBAインターナショナル顧問

金畑氏(前野村アーバン社長)、平元氏(元東急リバブル専務)が贈呈式出席

 世界の子どもたちを対象に社会教育の推進、文化・芸術・スポーツの振興、国際協力推進に関する事業を行っているNPO法人のRBAインターナショナル(会長:久米信廣・第三企画社長)が、川口市内の市立幼稚園2園と小学校4校から感謝状を授与された。これは、第三企画の川口印刷工場(第三インプレッション)で発生した商品にならない「ヤレ紙」を有効に活用してもらおうと、「学用品」として贈呈したことに対してのもの。埼玉県と県教育委員会、市教育委員会が仲介役となり実現したもので、昨年、川口市と越谷市の県立特別支援学校3校に対しても寄贈しており、今回はその第2弾。贈られた園長・校長先生は「紙はいくらあってもありがたい」と異口同音に語り、RBA関係者は「普段捨てている紙。有効活用していただいてとても嬉しい」「今後も継続して行っていきたい」と応じた。

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左から久米氏、金畑氏、新郷南小校長・小濱治人氏、川口市教育局学校教育部指導課主幹・大竹伸明氏

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平山郁夫の絵画を背景に左から曽根原氏、平元氏、新郷小校長・浦谷信一氏、大竹氏

「宇宙まで!」紙の長さに子ども歓声 

 RBAインターナショナルが「ヤレ紙」を寄付したのは、川口市立の新郷南小学校、新郷東小学校、新郷小学校、東本郷小学校の4校と南平幼稚園と舟戸幼稚園の2園。印刷段階で詰まったものや折れ曲がった紙をきちんと整えて結束したA4判の白紙12,000枚と、ロール紙の端紙10本(長さにして数百メートルに相当)をそれぞれの小学校・幼稚園に贈呈したことに対し、校長・園長から感謝状がRBAに贈られた。

 川口印刷工場から歩いて数分の新郷東小学校の小沼和美校長は、「紙はいくらあってもあっという間になくなってしまう。財政難の折からとてもありがたい。わたしどもの学校は入り口が狭いため、校外学習のときなどに利用する大型バスが入らず、第三企画さんの敷地をお借りして駐車させていただいている」と述べた。

 また、工場から徒歩で20分くらいの東本郷小・吉田忠司校長は「子どもたちにも印刷物がどのようにして出来上がるのか学ばせたい。工場見学はできませんか」と、贈呈式に同席していた第三企画専務取締役・久米正一氏にたずね、久米氏は「もちろん、いつでも結構です。喜んでご案内します」と応えた。

 ヤレ紙は印刷業界用語で、印刷の工程で印刷機械にかけることが適さなくなった紙のことで、ロール紙の場合は芯に近い部分がこれに当たり、ヤレ紙として処分・廃棄されている。低炭素社会の実現のため、最近はリサイクル・再利用の取り組みを強化し、環境負荷の軽減に努めているところが多い。

 第三企画も川口印刷工場(第三インプレッション)で発生する大量のヤレ紙を再利用業者へ有価で処分しているが、社員がもっと有効な使い道はないかと考え、RBAが子どもたちに自由に使ってもらえるように埼玉県、県教育委員会に相談した結果、寄付が実現した。

 昨年は、埼玉県立草加かがやき特別支援学校、同越谷西特別支援学校、同川口特別支援学校の3校に対して寄贈されており、今回はその第2弾。贈呈式は2月9日(火)と10日(水)の2日間に分けて行われた。

 9日の感謝状贈呈式に臨んだRBAインターナショナル理事・金畑長喜氏(野村不動産アーバンネット前社長)は、「子どもたちの健全な発達・育成を図るRBAの目的によくかなったもの。余った紙を贈るのだから、受け取る側も気兼ねなく受け取れ、負担に思われないのではないか。南平幼稚園ではその紙の一部を使った作品を見せていただいた。こんなうれしいことはない」と話した。

 10日の贈呈式に出席した同・平元詢二氏(東急リバブル元専務)は、「ヤレ紙を学校などに寄付することこそもっともRBAの活動にふさわしい。贈る側も受け取る側も幸福な気持ちになれる。チラシを発注する不動産流通会社にも共感していただけるのではないか。市内のすべての保育園・幼稚園に寄付したいくらいだ」などと語った。

 第三企画の代表として贈呈式に出席した同社専務取締役・久米正一氏も、「みなさんに喜んでいただいてとてもうれしい。今後も継続して行っていきたい」と話し、工場の代表として出席した管理責任者の曽根原良弘氏も「普段捨てている紙をこのように使っていただくことに感謝します」と喜んだ。

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左から久米氏、金畑氏、東本郷小・吉田忠司校長、大竹氏

金子みすゞ、岩谷時子、平山郁夫…驚きの連続

 今回の取材の目的は、もちろん感謝状贈呈式を取材することだったが、もう一つ自らにテーマを課した。教育現場に少しでも近づき、何か新しい発見をすることだった。以下、各小学校・幼稚園で見聞したことを紹介する。

【新郷南小学校】小濱治人校長 児童数478

 校長室に招じ入れられたとき、真っ先に目に飛び込んできたのは額装された金子みすゞの詩「露」(吉安優子氏寄贈)だった。

「露」

誰にも言わずにおきませう

朝のお庭のすみつこで

花がほろりと泣いたこと

もしも噂が広がつて

蜂のお耳ヘはいつたら

悪いことでもしたやうに

蜜を返しにゆくでせう

 新仮名遣いでなく旧仮名遣いなのがいい。慣れれば子どもでも旧仮名遣いは読める。26歳の若さで自死した金子みすゞのやさしさがストレートに伝わってくる。児童はこの詩がずっと記憶に残るのではないか。

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金子みすゞの詩「露」(吉安優子氏寄贈)

【東本郷小学校】吉田忠司校長 児童数228

 児童数228名というのは市内でも少ないほうだそうだが、少ないからこその良さもある。吉田校長が率先して挨拶運動を行っており、ノーチャイムでも時間をみんな守るそうだ。ビオトープもあった。カブトムシを約200匹飼育しており、田植えを行い収穫もするそうだ。こんな小学校が首都近郊にあるのに驚いた。

 訪ねていったときはちょうど浦和レッズの関係者が児童にサッカーを教えていた。

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田んぼ(稲刈りのあとが残っていた)

【南平幼稚園】福嶋繁夫園長 定員140

 埼玉県南部では公立の幼稚園は数えるくらいしかないそうだが、そのうちの2園が川口にある。南平幼稚園と舟戸幼稚園だ。定員はともに140名でほぼ満員。入園希望が多い場合は抽選になることもあるという。

 南平幼稚園・福嶋園長は、遊戯室に集まった全園児に向かって「みなさん12,000枚ですよ。積み上げたらどれくらいになるかわかりますか?みなさんの肩ぐらいですよ。この継ぎ目のない紙(ロール紙)は全部伸ばすと、どれくらいあるでしょう」と呼び掛けた。園児たちは「地球一周」「宇宙まで!」と歓声を上げた。

 寄贈された紙はすでに園児のお絵描きに一部使用されており、遊戯室に掲示されていた。

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南平幼稚園

【舟戸幼稚園】井上千春園長 定員140

 荒川のスーパー堤防上に立地する素晴らしい環境にこの幼稚園はあった。 東西南北、遮るものがない。しかも舟戸小学校と南中学校と一体として建設されており、そのデザインがまた素晴らしい。井上園長は「小学校と中学校との交流もあり、何かあると生徒たちが手伝ってくれる。ロール紙は子どもたちがダイナミックな絵を描くのに最適。有効に活用させていただく」と話した。

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舟戸幼稚園

【新郷東小学校】小沼和美校長 児童数510

 学校を辞去するとき平元理事が玄関の壁を見て歓声を上げた。校歌が掲げられていたのだが、何と作詞が岩谷時子で作曲が中村八大というのに平元氏は驚き、感動したのだ。小沼校長によれば、初代校長(昭和48年開校)がPTA役員と中村邸を訪問して依頼したのだそうで、中村氏と岩谷氏はわざわざ学校を訪れ、作詞・作曲したという。小沼校長は「校歌は学校の誇りの一つです」と話した。

 中村八大は「上を向いて歩こう」「こんにちは赤ちゃん」「遠くへ行きたい」などの国民的なヒット作を世に送り出した。岩谷時子も越路吹雪の一連の作詞と、「恋のバカンス」「夜明けのうた」「君といつまでも」「恋の季節」などのヒット作を生み出した。

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岩谷時子作詞・中村大八作曲の校歌

【新郷小学校】浦谷信一校長 児童数836

 最後に訪れた新郷小の校長室に入ったとたんドキリとさせられた。平山郁夫そっくりの絵画が掲げられていた。記念撮影の段階で浦谷校長から寄贈品で本物であることを知らされびっくりした(失礼だが、小学校に本物があるとは露ほども思わなかった)。

 新郷小の開校は明治6年、142年の歴史を持つ。これほど古い歴史を持つ学校は市内でも数えるほどということだった。当時はもちろん「新郷小学校」ではなく、寺子屋が発展した形で「峯学校・榛松学校・蓮沼学校」のように呼んだそうだ。

 参考までに。RBAインターナショナルの芸術顧問でもある中国人画家常嘉煌氏は東京藝大の平山研究室で日本古代美術と日本画の模写の方法について研究したことがあり、東日本大震災では陸前高田市と名取市にそれぞれ「希望の一本松」、「祈願の櫻」を寄贈している。常氏の父で敦煌の石窟の保護と研究に尽力し、中国では「敦煌の守護神」として知られる故・常書鴻氏は平山氏と親交があった。

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平山郁夫の絵画

RBAインターナショナル 川口特別支援学校で学用紙贈呈式 「紙価を高めたい」小池校長(2015/9/3)

RBAインターナショナル 学用紙を埼玉県立草加かがやき特別支援学校に寄付(2015/8/3)

RBAインターナショナル 草加に続き越谷西特別支援学校へも学用紙寄贈(2015/8/18)

 

 

 

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