RBA OFFICIAL
 
2016/03/09(水) 00:00

随所に需要喚起策 伊藤忠都市開発「クレヴィア相模大野ラ・テラス」

投稿者:  牧田司

1.png
「クレヴィア相模大野ラ・テラス」完成予想図

 伊藤忠都市開発が近く分譲開始する「クレヴィア相模大野ラ・テラス」を見学した。分譲戸数38戸の小規模物件ではあるが、第一次取得層の購入を想定した工夫がいくつもなされていた。

 物件は、小田急線相模大野駅から徒歩10分、相模原市南区上鶴間本町4丁目に位置する7階建て全43戸(事業協力者住戸5戸含む)。専有面積は70.97~85.55㎡。坪単価は183万円。竣工予定は2016年11月下旬。設計・監理はIAO竹田設計。施工は松尾工務店。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 商品企画にあたって、事前に地元居住者約200組に「理想の住まい」についてアンケートを実施。家族ごとの趣味嗜好やこだわり、求めるライフスタイルが想定以上に多様だったため、そのニーズに応えるためセレクトシステム「ホームアレンジメント」を導入。1家族に1名の専属コーディネーター(インテリアコーディネーター有資格者)がサポートするのが特徴。

 さらに、建具・家具・壁紙などにポイントを付け、トータルで100ポイントまで無償で選べる「100ポイントメニュー制」を採用。購入者は、従来からある間取りやカラー、高さ、形状などの無償セレクトに加え、100ポイント内で下足入れ(3種)、リビングドア(2種)、共用物入れ(5種)や食器棚設置などの工事対象物のほか、家具(ソファ、テーブル、イス等)や家電までメニューから選べる。

 同社都市住宅本部プロジェクトマネージャー・大徳弘恵氏は、「当社の物件の先に大手デベロッパーが大規模マンションを予定しているので、なんとか差別化を図ろうと新しい試みも取り込んだ。来場者の方々にも評価していただいている」と、手応えを感じていた。

2.png
モデルルーム

◇       ◆     ◇

 このところ、同社の物件も含め富裕層やアッパーミドル向けの物件見学が中心だったので、久々に第一次取得層向けのモデルルームを見学した。

 分譲単価は予想通りだ。坪単価180万円台というのは郊外部でもこれくらいの単価水準が当たり前になるはずだし、設備仕様レベルもみんな同じ水準になるとみている。いかに価格を抑えて差別化するかがデベロッパーの腕の見せどころだ。

 その点でこのマンションはよく工夫されている。「ホームアレンジメント」や「100ポイントメニュー制」もそうだが、記者はプランに注目した。

 廊下幅が広いのにまず驚いた。1350ミリだった。モデルルーム住戸だけかと思ったら、ほとんど全ての住戸がそうだった。最近は専有面積を圧縮し、グロス価格を抑えるために廊下スペースを極力なくすのが流行しているが、やはり廊下はあったほうがいいし、広ければ広いほどいい。よくぞ同社は決断したものだ。

 間口も最近は6mというのが主流だが、ここは最低でも6100ミリ、6200~6250ミリが中心だ。同社の〝オハコ〟でもある収納の提案もなかなかいい。

 マンションギャラリーも面白い。来場者に好みのカラーや建具・家具、クロスを選んでもらえるようギャラリー内や商談ブースにサンプルがたくさん展示されていた。何度訪ねてもいいように、平日限定でマンションギャラリー1階を無料開放するという。

 同社のマンションを見学していつも感心するのだか、物件特性に応じて需要を喚起するアイデアがいつも盛り込まれている。マンションのプレス・リリースの数は他社を圧倒しており、アイデアもそのプレス・リリースの数ほどある。デベロッパーと施工会社を聞いただけでプランが想像できる普通のマンションと異なるところだ。

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン