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2016/03/10(木) 00:00

まだ間に合う 今週末が最終分譲 三井不レジ「パークコート三番町」

投稿者:  牧田司

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「パークコート三番町ヒルトップレジデンス」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルの売れ行き好調マンション「パークコート三番町ヒルトップレジデンス」を見学した。昨年12月に分譲開始された全92戸(分譲は89戸)の規模だが、この週末には残り38戸が一挙に分譲され、完売になる可能性が高い。最近激減している総合設計制度の適用も受けており、坪単価600万円も割安感がある。

 物件は、都営新宿線市ヶ谷駅から徒歩4分、東京メトロ有楽町線・南北線市ヶ谷駅から徒歩6分、JR中央線・総武線市ヶ谷駅から徒歩7分、千代田区三番町に位置する18階建て全92戸(事業協力者住戸3戸含む)。最終期(38戸)の専有面積は53.94~86.22㎡、価格は8,090万~17,400万円(最多価格帯9,000万円台)、坪単価は600万円。入居予定は平成29年12月上旬。設計・施工・監理は錢高組。最終期の抽選は3月12日(土)午後3時。

 現地は、物件名に〝ヒルトップ〟と名付けられているように南側の土地が低くなっており、そこに九段小学校と、敷地南側には東郷元帥記念公園がある。千代田区の総合設計制度の認定を受け、地区計画の高さ規制50mより10m高い容積緩和を受けている。制度iに適合するように専有面積を50㎡以上とし、4方に公開空地を設け、防災性能を高めているのが大きな特徴。

 建物は、足元から最上階まで縦のルーバーを配し、和テイストの格子を多用。外構部には庵治石や本小松石を使用し、エントランスにはオリーブグリーン、バニラ・ホワイトなどの自然石を採用している。

 住戸プランはワイドスパンが特徴で、ホール・廊下幅を1m~1.3mくらい確保しているタイプも多い。天井高は基本タイプが2600ミリ。

 モデルルームには、「バニラ・ホワイト」(白御影石)「タイブオブ・アジャックス」(ギリシャ産)「オバンコール」(高級家具材)などの天然石・突板がふんだんに用いられている。

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◇       ◆     ◇

 分譲開始からわずか3カ月少しで完売になる勢いがすべてを物語っている。設備仕様レベルが高いのは言うまでもない。その割には坪単価が安い(というより他が高いのか)。同じ番町エリアや周辺物件の分譲単価はこの物件よりことごとく高い。同業他社にしてみれば、このマンションが早く売れてしまったほうが、売りやすいということだろう。それとも同社は割安感をアピールすることで、他社に傾きかけている流れを一挙に引き戻そうとする戦略か。

 明日は、同社が販売代理となっている大和ハウス工業「プレミスト六番町」と「プレミスト白金台」を見学する。大和ハウス常務執行役員 マンション事業推進部統括部長・高井基次氏が自画自賛した物件で、今回の「パークコート三番町ヒルトップレジデンス」の販売担当者も「『六番町』のモデルルームを見ましたが、天然石をたくさん採用しておりものすごい」と話している。

 記者が気になっている英国大使館から返還予定の一部敷地(約7,000㎡)はマンションなら坪1,000万円をはるかに突破すると見ていたが、国民公園皇居外苑の一部となることが決まっている。

◇       ◆     ◇

 この物件は都の総合設計制度の適用によって緩和措置を受けていることを書いた。ここで総合設計制度について一言。

 都は平成22年に総合設計制度を大幅に改正した。「環境先進都市東京」を目指すため、単に公開空地を確保するだけでなく、空地の質、住宅性能や建築物の環境性能をより重視することを求めた。

 当時、デベロッパーからは規制が厳しすぎ、容積緩和を受けて建物を上に伸ばすメリットがなくなったという声が多く寄せられた。

 この声が的を射ているかどうかわからないが、その後、制度適用建築物は大幅に減少している。改正前の平成20年は改正を前にした駆け込みもあるが、30件に上っていた。改正後の平成22年には10件に激減し、23年8件、24年5件、25年4件、26年10件、27年6件と10件以下で推移している。この4年間で許可された25件のうち住宅は9件しかない。年間に2件くらいだ。

 記者は以前にも「権利者が基準法を選択したほうがいいと判断される要綱改正は、良好な街づくり、住宅供給を促進するという制度の趣旨からしていかがなものか。角を矯めて牛を殺すことにならないか」と指摘した。超えられないハードルでは制度そのものの意味がない。基準の強化は、ハードルを潜り抜ける、劣悪とは言わないまでも、環境にも人にも優しくない建築物が増えることを容認することにならないか。

 ただ、これには反論もあるかもしれない。制度の対象となる土地(10,000㎡以上)が少なくなってきていることとか、総合設計制度を使うより地区計画制度などを選択したほうが良質なものが建てられるケースもあるという考えだ。これはこれで説得力もある。これ以上は深入りしないことにする。弾力的な運用はできないものか。

 ともあれ、このマンションは厳しい条件をクリアしているのだから、それだけ質は高いといえる。

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エントランス

 

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