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2016/03/24(木) 00:00

首都圏初の〝ススマートウェルネス住宅〟完成 三井不レジ「等々力」

投稿者:  牧田司

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「ファインコート等々力 桜景邸」

 三井不動産レジデンシャルは3月23日、建売住宅では首都圏初の〝ススマートウェルネス住宅〟プロジェクト「ファインコート等々力 桜景邸」が竣工したのに伴う記者見学会を行った。現地の前の桜並木のソメイヨシノが開花し、オオシマザクラは5分咲き。美しい借景にふさわしい都市型戸建てだ。

 物件は、東急大井町線等々力駅から徒歩7分、世田谷区中町二丁目に位置する全5棟。土地面積は109.23~115.72㎡、建物面積は108.30~115.29㎡、価格は最低で1億円以上から最高は1億5,000万円台になる模様。構造は2×4工法2階建て。設計・施工は三井ホーム。4月に販売予定。

 現地は桜並木が美しい閑静な住宅街の一角。建物は周囲の住宅街にふさわしい石積みや石畳を施した高級感が漂う外構・外観が特徴。

 住宅の設備機器には樹脂製サッシ、高性能の断熱材(屋根は同社比2倍の厚さ)、天井設置型脱衣室暖房機、全熱交換換気システム、床暖房システム、家庭用燃料電池「エネファーム」とHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)、LED 照明、家庭用蓄電池などを搭載。

 〝スマートウェルネス住宅〟は、「健康(ウェルネス)」「省エネ(スマート)」「安心・安全」の3つの要素を重視し、最新の設備仕様を採用するだけでなく、間取りや内装、外構などにも工夫を凝らすことで、より快適な住まいを実現するもの。同社は第2弾の「ファインコート深沢 桜景邸(総戸数13 戸)」も分譲する予定で、今後、都心の高額物件を中心に供給していく。

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前面道路のオオシマザクラ

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外構

◇       ◆     ◇

 同社の地域開発事業部開発室主任・山家尚氏は物件の特徴として、①桜並木に寄り添う立地②南ひな壇の高台、駅から徒歩7分③ゆとりの敷地・建物④スマートウェルネス住宅-の4点を挙げた。

 記者は3点くらいが一番いいと思っているが、ちあきなおみさんの「4つのお願い」というヒット曲もあるから、4点は許容範囲としよう。

 山家氏が話した①~④を要約すると、美しい桜並木にふさわしい外観、外構にするために石積み、石畳に工夫を凝らし、どの住戸からもサクラが眺められるように窓は極力大きく、たくさん設け、通風・採光にも配慮し、敷地も3棟で35坪を確保したこと、国の定義も定まっていないスマートウェルネス住宅については、その中身が見えるよう分かりやすく説明するということだった。

 実際にモデルハウスを見学して、その企画意図は表現されていると思った。とくにスマートウェルネス住宅についてはほぼ完璧に「見える化」「見せる化」が図られていた。樹脂サッシが普通のアルミサッシと比べどれほど効果的であるかを模型で示しているほか、エコカラット、全熱交換換気システム、天井埋込型空気清浄機のよさがよく分かった。唯一疑問に感じたのは、どうしてフローリング、建具・家具を突板仕様にしなかったのかというくらいだ。天井高は2700ミリあった。

 スマートウェルネス住宅についてもう少し触れよう。同社は、スマートウェルネス仕様にした住宅と標準的な省エネ住宅とでは、温度や湿度、結露、快適性、省エネ性がどれくらい異なるのかの詳細な検証結果を15ページにわたる冊子にまとめて説明した。検証監修を行なった秋田県立大学・長谷川兼一教授のコメントも紹介している。

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モデルハウス リビング

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洗面室

◇       ◆     ◇

 今回の見学会で同社が用意した資料と、担当者の説明を聞きながら、先日さいたま市が行なった「美園スマートホーム・コミュニティモデル街区」記者発表会と比較してしまった。あらゆる点で雲泥の差があった。三井レジは「スマートウェルネス住宅」について10項目くらいの設備仕様・機能を上げ、根拠もしっかり示して「首都圏初」と謳った。プレス・リリース、資料に過不足はない。

 リリースには、慶大・伊香賀俊治教授、近大・岩前篤教授、秋田県立大・長谷川兼一教授のコメントが紹介されている。この種のコメントはこれまでもたくさんあるが、いかにもパブリシティの匂いがするものばかり。その点、3氏のコメントは同社の「スマートウェルネス住宅」や物件を〝推奨〟しているわけでもない。これが却って効果的だ。

 伊香賀教授は先日、スウェーデン大使館&スウェーデンハウスのセミナで「高断熱・高気密住宅」について講演された。その記事を添付するのでぜひ合わせて読んでいただきたい。

◇       ◆     ◇

 これはおまけです。記者は鶴瓶さんのように若い女性には声がかけられないが、同年配かそれ以上の女性には平気で声を掛ける。道行く人と喫茶店「浪漫」の店主との会話です。等々力がどのような街であるかよくわかるので紹介します。

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「浪漫」に飾られている粘土作品

「サクラがきれいですね」(記者)

「散った後の掃除も大変なのよ」(道行く女性)

「でも、サクラが街の価値を上げているんですよ。となりは三井不動産が分譲するんです。35坪で1億5,000万円です」

「そうですか、三井さんですか。うちの娘が○○で三井さんから土地を買って、三井ホームで家を建てました。わたし? すぐ近くです。土地? 120坪です」

「この絵は、ご本人が描かれたんですか」(喫茶店で)

「そうよ、でも絵はボケ防止のためのお遊び。本職はそのお人形さんよ」

「えっ、これは素晴らしい。粘土ですよね」

「そうよ、特殊な粘土。高いのよ。1400度で焼くんです。36年もやってるの。でもお金にならない。売らないから」(マンションや戸建ての値段は分かるが、お人形は全く分からない)

「近くで三井不動産が住宅を分譲するので取材に来たのですが、このお人形、写真に撮って記事にしていいですか」

「いいわよ。宣伝になるから。『浪漫』って言うの。そうー、三井さん。あそこはいいよわ。サクラがきれいで」(パンフレットを見せる)。いままでいたお客さんは○○の数千坪の土地を売る話をしていたわよ。ここには結構有名人が来るのよ。この前も〝さざんかの宿〟の歌手が来たわよ」

「そうですか。このカップ、なかなかいいですよね」(家にあるのとそっくりというか同じだった)

「それ? ミントン。これ作ったの、食べて」

「頂いていいんですか。おいしいですね。このオレンジゼリー」

「そのお客さんは最近、土地を売った方」(新しい女性客が入ってきた)

「えっ、どれくらいの広さですか」

「70坪」

「…」(35坪で〝ゆとりの敷地〟はここでは通用しないかも)

「そう、時間がないの? 今度来たらまた寄って」

「ぜひそうします。ありがとうございました」

(こんな会話を交わしていたので次の取材に遅刻した)

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建売分譲住宅で首都圏初の“スマートウェルネス住宅”プロジェクト

「ファインコート等々力 桜景邸」着工(2015/9/17)

「日本一の街」になるかは保留 「美園スマートホーム・コミュニティモデル街区」(2016/3/19)

内装木質化は熟睡長く、知的労働も向上 慶大・伊香賀教授が実証(2016/3/22)

 

 

 

 

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