三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス草加」とコスモスイニシアの「イニシア草加高砂」を見学した。まず、三菱地所レジデンスの「草加」から。
物件は、東武スカイツリーライン草加駅から徒歩5分、埼玉県草加市住吉1丁目に位置する15階建て全60戸。専有面積は65.34~97.15㎡、現在分譲中(14戸)の価格は3,528万~4,898万円。坪単価は190万円台の前半。竣工予定は2017年2月下旬。施工は川口土木建築工業。
現地は商業地域立地だが、現在は敷地南側に高い建物は建っておらず、全戸南向き。
住戸プランは、二重床・二重天井、ディススポーザ、食洗機、ミストサウナが標準装備。
昨年末から分譲が始まっており、現在、約6割が分譲済み。販売担当者は「マーケットエリアが草加市中心ではあるが、計画通りの進捗」と話している。
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一般の読者の方は「草加」といえば「草加せんべい」くらいしか思いつかないだろうが、東武伊勢崎線(スカイツリーラインは愛称)を熟知している記者は、もちろん草加をよく知っているし、ポテンシャルが高いのに他の私鉄沿線に割り負けしていると思っている。
どこがいいかといえば、交通便がいいことだ。日比谷線、半蔵門線と相互乗り入れしており、都心へ一直線、大手町駅まで26分だ。
大手町まで26分といえば、同社がこれから分譲する「ザ・パークハウス中野」とほぼ同じだ。「中野」は坪単価500万円近くするはずだが、「草加」はその4割だ。
急行で2駅手前の北千住の駅近の坪単価は350万円くらいするはずだし、都内と接しているという意味で同じ位置圏にある「川口」だって、坪単価は200万円をはるかに突破する。千葉県の市川だって同じだ。
複々線であることから電車の遅延も極めて少ないのも同線の特徴だ。ここで遅延について少し触れよう。
遅延とは5分以上のことで、国交省の平成25年11月のデータによれば、首都圏全51路線で平日20日間に最も多く遅延証明書を発行したのは半蔵門線で20回、次いで千代田線19回、山手線18回がワースト3で、13回以上が16路線ある。これらすべてがJR、東京メトロ、都営だ。他の民鉄では田園都市線が11回で多く、西武池袋線、東武東上線が9回、西武新宿線、京王線が8回となっている。、東武伊勢崎線は小田急線と同じ7回だ。小田急線も複々線がかなり進んでいる線だ。
これより少ないのは、京急線(品川~横浜)で2回、相鉄線も3回しかない。京急線が少ないのは昔からで、JRや東急線などと競合が激しく、遅延を少なくすることで差別化を図っているということを聞いた。早く着きすぎて国交省からおしかりを受けたというのも事実のようだ。
サラリーマンにとって、遅延証明書を受け取り会社に提出するのはつらいものだ。ストレスにもなる。伊勢崎線はそれがないだけでも素晴らしいではないか。デベロッパーはどうしてこのようなデータを利用して、東武伊勢崎線をアピールしないのか。
生活利便施設が劣っているかといえばそうでもない。イトーヨーカ堂、丸井、ダイエー、西友がある。飲み屋は新越谷に数の上では圧倒的に劣るが、質的には負けないと思う。
記者はかつて、一定の額以上になると途端に売れなくなることから〝魔の伊勢崎線〟と見出しにつけたことがあるが、東武鉄道も行政も民間も一緒になってエリアのイメージアップを図るべきだ。
そこで、行政には注文もつけたい。駅周辺には立派なケヤキの街路樹が植わっているが、どうして2~3階建ての建物と同じくらいの高さで強剪定するのか。全く理解できない。常緑樹も少ない。街路樹と街のポテンシャルは間違いなく相関関係がある。街路樹が貧しいのは行政の心が貧しいからだ。
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久しぶりに駅前の「魚河岸料理 夢や」で昼食(昼食は初めてだが)を取った。魚のアラの味噌汁がついて握りずし8カンで750円(消費税込み)だった。回転寿司より安い。酒のつまみも豊富で、ないものがないくらいたくさんある。