今年は何人の新入社員が住宅・不動産業界に入ってきたのだろう。アベノミクス効果かどうかしらないが、マンション価格の暴騰、株安、消費増税など業界を取り巻く環境は楽観視できないものがあるが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け外的環境はフォローの風が吹いている。新人の皆さんにはこの風に乗っていただきたい。
そして、ここに最高の贈り物を届けたい。記者からではない。各社トップの入社式での訓示だ。
記者にも少しは社長訓示が届くのだが、不動産流通研究所のWeb「R.E.port」が他を圧している。全部で25社もある。主だった会社は全て網羅されている。慈愛に満ちた珠玉のメッセージばかりだ。例年になくたくさん集めたのだそうだ。
同社の了解も得たので、リンクを貼りつけた。間違いなく皆さんの生きたバイブルになるはずだ。慈愛に満ちた珠玉のメッセージばかりだ。
本当は全て紹介したいのだが、いくつかを紹介する。
三菱地所レジデンス・小野真路社長は「不動産の基本はフィールドワークだということを忘れてはいけない。足で稼ぎなさい。街をよく見て、人がどう動いているかよく見ることを大切にして欲しい」と呼び掛けている。
「好奇心を人生のパートナーとして片時も忘れることなく過ごしてもらいたい」と、センチュリー21・ジャパン・猪熊茂男社長は、好奇心を忘れるなと説いた。
住友林業・市川晃社長は、「真のグローバル人財とは、自分とは異なる多様な価値観を受け入れ、その上できちんと自分の意見を主張できる、そういう人です」と、「真のグローバル人財」について語った。
積水化学工業・髙下貞二社長は、「知行合一」「一隅を照らす」「修羅場の経験が成長の種」の3つに期待を込めた。
「相手(お客様)の『心』を読み取る力を身につけてください」と、大和ハウス工業・大野直竹社長は核心に触れた。
三井不動産・菰田正信社長は、「持てる力を最大限に発揮でき、多種多様な才能がシナジーや化学変化を起こす会社にならなければなりません」と、〝化学変化〟という魅力的な言葉を使った。
どうか、これらをコピー&ペーストし、自分なりに編集して、いつでも読めるようにしてほしい。大きな武器にもなる。くじけそうになったら読み返すことだ。
業界紙誌について少し触れよう。これは大事な情報源になる。毎日チェックすることを勧めたい。冒頭に紹介した不動産流通研究所のWeb「R.E.port」は欠かせない。主だった住宅・不動産業界のその日のニュースが伝えられている。記者はものすごく重宝している。評論記事は少ないが、何しろ無料で読める。
他にも日刊の「不動産経済通信」、週刊の「住宅新報」「週刊住宅」があるが、これらは紙媒体で有料だから新入社員は購読するのは難しいし、会社が購読していても、じっくり読む機会はないかもしれない。各紙ともWebもあるが、Webに力を入れていないようで、残念ながら参考になる記事は少ない。
この「こだわり記事」は各社のプレス・リリースの10分の1もフォローできていないが、〝記事はラブレター〟のつもりで書いている。マンションなどは現地に足を運び、自らの視点で書いている。暇があったら読んでいただきたい。
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わたしが皆さんに言えることがあるとすれば、言い古された言葉ではあるが「三日三月三年」だ。「三日」はともかく、「3カ月」の研修期間で道を誤った、あるいはその企業の理念・哲学とかけ離れていることをやっていると感じたら辞めたほうがいい。出直しは十分効くどころか、自分から三行半を突きつけるべきだ。
「3カ月」が経過したら、とにかく〝石の上にも3年〟。わき目も振らずにがんばることだ。3年もすれば仕事を覚えられるし、芽が出てくる。自らの方向性も見えてくる。この段階で自らの方向性を見出せないとすれば、生き方も含め考え直したほうがいい。
もう一つは、宅地建物取引士の資格を取ってほしいことだ。この「宅建士」の資格が実際の仕事にどれだけ役立つか、現行の試験制度は適切かどうかなどの問題はともかく、この資格がないと不動産業界では生きていけない。今年10月の試験まではとにかく何よりも資格取得を最優先してほしい。やれば絶対に取得できるはずだ。
※同社は4月5日にも2社追加しており、トータルで27社の社長訓示が「R.E.port」に掲載されている。