三菱地所が5月中旬に分譲する「ザ・パークハウス 東戸塚レジデンス」を見学した。駅から徒歩5分のヒルトップの傾斜地マンションで、「箱の間」提案にユーザーがどのような反応を見せるかも注目したい。
物件は、JR横須賀線・湘南新宿ライン東戸塚駅(西口)から徒歩5分、横浜市戸塚区品濃町な位置する11階建て全237戸。専有面積は64.86~90.05㎡、価格は4,700万円台~8,200万円台、坪単価は270万円前後になる模様。竣工予定は2018年3月下旬。売主は同社のほか京浜急行電鉄。施工はフジタ。
昨年10月からの資料請求は約1,800件で、2月からのモデルルーム来場者は約400組、うち地元戸塚区が約4割。
現地は比高差約15mの傾斜地で、同社が2015年2月に始動した生物多様性保全の取り組み「BIO NET INITIATIVE(ビオネットイニシアチブ)」の一つで、2015年度「いきもの共生事業所認証(ABINC認証)[集合住宅版]」を取得している。
建物はコの字型で、住戸はヒルトップの南向きと、東向き、西向き。山梨県のスギ材を用いた空間「箱の間」も提案している。
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坪単価は記者の予想とぴったりだ。本当は250万円くらいなら瞬く間に売れるだろうと読んでいたが、建築費の上昇や周辺物件の値上がりを考えたらリーズナブルな値段だと思う。
入居後、3年間(12回)にわたって生物多様性保全の取り組みや環境配慮などについて居住者向けのイベントをおこなっていくというのがまたいい。
これはまったく知らなかったのだが、同社は「東戸塚」駅圏で約2,500戸の供給実績があるそうだ。
それで思い出したのだが、同社(当時藤和不動産)は、隣接する森と一体的に開発した環境共生型の「フォートンヒルズ」(2006年竣工、888戸)でもコミュニティ支援の活動を積極的に行った。素晴らしかったのは「ニューシティ東戸塚 パークヒルズ」(1987竣工、633戸)だった。ここの街路樹は見事だ。
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このマンションで初めて提案した「箱の間」については、3月25日に行われた「3×3 Lab Future オープニングシンポジウム 第4回『国産材の活用を考える』」でも少し触れた。なかなか面白い提案だ。
特徴は、①「家具」よりも大きく「部屋」よりも小さな、およそ畳1畳程度のサイズ②仕切る、籠る、集まる、集中する、リラックスするといった様々な使い方、過ごし方を提案③家族構成の経年変化によるライフスタイルにも対応する-という点だ。
問題は価格だろうと思うが、住宅ローンに組み込めるようにすればヒットするかもしれない。そうではなくてオプションとして購入するとなれば、二の足を踏むお客さんもいると思う。クリノキでできた椅子は相当値段が張るだろうし、スギの箱を含めれば数十万円するのではないか。しかし、子どもから「パパ、ママ、これ買って」と言われたら拒めない夫婦もいそうだし、男は籠りたくなるものだし、どうなるかよくわからない。
先ほど、積水ハウスの組立式和室「障子結界庵」を紹介したが、こちらは2~3畳大の「和室」提案だ。両社ともなかなかよく考えていると思う。
三菱地所、“CSRからCSVへ”新たな価値創造「3×3 Lab Future」(2016/3/29)