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2016/04/12(火) 00:00

環境先進企業が市場で評価される社会へ エコ・ファースト推進協が総会

投稿者:  牧田司

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丸川氏(左)と和田氏

 環境先進企業として環境省から認定されている「エコ・ファースト企業」38社で構成される「エコ・ファースト推進協議会」(議長:和田勇・積水ハウス会長兼CEO)は4月11日、2016年度通常総会を開き、2015年度事業報告、同収支決算、2016年度事業計画などを承認し、和田氏を議長に再任するとともに新たに副議長として大成建設・村田誉之氏を選任。また、今年度から西松建設が加盟して38社になった。

 総会後は、環境省環境事務次官・関荘一郎氏が「パリ協定から始めるアクション50-80」と題する講演を行った。

 冒頭、和田議長は、「昨年開かれたCOP21の歴史的な『パリ協定』で、わが国は2030年度に(2013年度比)26%の温室効果ガス削減を公約した。今年は、G7の富山環境大臣会合や伊勢志摩サミットなど重要な会合が開催され、世界から注目が集まる。このような時期だからこそ環境問題解決と企業経営を両立できる、環境保全のトップランナーとしてのエコ・ファースト企業の役割が増大する。政府が昨年から展開している国民運動の『COOL CHOICE』にもエコ・ファースト企業が率先して活動し、低炭素社会の実現に向け貢献している。今後もわれわれが連携して環境保全の活動に取り組んでいきたい」とあいさつした。

 来賓として出席した丸川珠代・環境大臣は「歴史的な『パリ協定』の締結は、先進国、途上国の差なく地球温暖化に対する危機感が暮らしの中で実感できる状況になってきており、この危機感こそが画期的な合意を実現させた。今年はこのパリ協定を踏まえて行動する元年。環境先進企業としての皆さんは社会を引っ張っていくリーダーであり、かけがえのない存在。皆さんの取り組みがマーケットで評価される社会、経済の仕組みを環境省として取り組んでいきたい」と語った。

◇       ◆     ◇

 記者は、丸川大臣の「皆さんの取り組みがマーケットで評価される社会、経済の仕組みを環境省として取り組んでいきたい」という言葉に注目した。

 この「エコ・ファースト企業」が(株式)市場で適正に評価されているとはいいがたい。

 記者はかつて「なでしこ銘柄」として選定された企業の株価の推移を調べたことがある。他の複合的な要素もあるので判断は難しいのだが、ほとんど株価には反映されていないという結論に達した。「エコ・ファースト企業」も同様ではないか。だからこそ丸川大臣も話したのだと思う。

 海外では環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮している企業を重視・選別して行う投資が急拡大しているというではないか。

 わが国も企業価値を測る物差しとして環境や社会貢献活動、企業統治を重視する「ESG」手法を導入すべきだ。「CASBEE」と同じような評価をし、有価証券報告書などに記載することを義務付けるなど、一般投資家にも〝見える化〟を進めてほしい。環境への取り組みで成果を上げている企業・個人は固定資産税や住民税の減免措置があっていい。そうすればみんな一生懸命取り組むし、社会、株式市場でも評価されるのではないか。

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総会会場(東京国際フォーラム)

 

 

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