大成有楽不動産が分譲中の「オーベルアーバンツ日暮里」を見学した。道路・舎人ライナーの騒音や近接するタワーマンションの日影の影響は受けるが、日暮里駅から徒歩3分と近く、坪単価315万円は相当な割安感がある。設備仕様レベルも高い。
物件は、JR・舎人ライナー・京成線「日暮里」駅から徒歩3分、東京メトロ千代田線「西日暮里」駅から徒歩5分、荒川区西日暮里二丁目に位置する14階建て全62戸(一般分譲住戸52戸)。第1期(25戸)の専有面積は42.21~70.26㎡、価格は3,698万〜6,968万円(最多価格帯3,900万円台)、坪単価は約315万円。竣工予定は平成29年3月下旬。設計・監理はアーバンライフ建築事務所。施工は南海辰村建設。
建物は南西向き3戸と北東向き2戸の1フロア5戸構成で、角住戸比率が80%。間口は約7.8~9.3mと広いのが特徴。逆梁工法を採用し、梁部分をカウンターとして利用できるようにしている。設備仕様は、フィオレストーンのキッチン天板、ホーロー底板、食洗機、ミストサウナ、二重サッシ(一部除く)、二重床・二重天井など。同社のオーベルオリジナル商品企画「O-range LABO」(オレンジ収納、オレンジキッチン、オレンジドレッサー)もフル装備されている。
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先日取材した京浜東北線「王子」駅から徒歩3分のマンションは坪320万円だった。そして今回の「日暮里」はそれと同じくらいかむしろ安い。
なぜそんなに安いのか。一つには立地条件がある。駅に近いけれど近接するタワーマンションの日影と、敷地東側の尾久橋通りとその上を走っている舎人ライナーの騒音の影響を受けるから、そのあたりは割引しなければならない。
もう一つは「荒川区」アドレスだ。周辺で分譲されているマンションも同じような単価になっているから、相場並みともいえるかもしれない。23区内で坪単価200万円以下でも取得できそうな舎人ライナーの始発駅というのが価格下げ圧力にもなっているのは否定できない。
山手線でこれほど低い〝評価〟を受けているのは、他では田端くらいしかない。鶯谷(北口)もあるが、ここは風俗街だからマンション分譲事例は極端に少ないので比較できない。交通利便性だけなら坪400万円くらいになっていいと思うが、これは如何ともしがたい。
坪単価300万円はもう少しすれば郊外型の駅近マンションの相場になるはずだ。
同業他社にも参考になる同社の「オレンジ収納」について。収納のハンガーは上下に移動させたり、あるいは手前と奥の2本にしたりしているところは少なくない。同社のそれは、多くの受け穴を設け、パイプの位置を上下・前後にアレンジできることで収納量を増やせるどころか、奥の壁面にもフックが付いており、鴨居に掛けるように洋服などが掛けられるようになっている。主婦、あるいは主夫はこのような細かな配慮に感動するのだ。同社の最近のマンションの売れ行きがいいのはこうした工夫もその要因の一つだ。