「マンションコミュニティ」や「マンションWiki(住適空間)」を運営しているミクルが5月10日から新しいブログコンテンツ「スムログ」を開始した。
「スムログ」は、著名なブロガーが自由に書くことができる、マンションに特化したブログポータルサイトだ。
記者が書いているRBAの記事は、〝記事はラブレター〟をモットーに極力わかりやすく面白く書くように心がけているので、あるいは「ブロガー」と呼ばれる範疇に入るのかもしれないが意識したことはない。そもそも「ブログ」なるものの定義すらわかっていない。
なので、以下の文章がブロガーやその読者の方々にどのように受け取られるのかわからないが、率直な感想を述べたい。
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不動産ポータルサイトには、住宅・不動産会社の数だけあるとすれば10万くらいあるのだろうが、一般的には賃貸&分譲不動産情報サイトラングでダブル総合1位の「SUUMO(スーモ)」、不動産情報サービス業のパイオニア「at home(アットホーム)」、物件数№1の「HOME'S(ホームズ)」、わが国の住宅・不動産情報サイトのイノベーションを目指す「O-uccino(オウチーノ)」などがある。
Webサイト分析ツール「Similarweb」によると、月間ユーザーは「SUUMO(スーモ)」が1,200万、「HOME'S(ホームズ)」が1,100万もあるようだ。
もう一つが、「マンションコミュニティ」を代表する購入検討者や購入者、入居者が〝掲示板で〟意見交換をするサイトだ。ミクル取締役の山下肖武氏によると「マンションコミュニティ」の月間ユーザーは200万人もあるという。
記者は物件検索サイトもコミュニティサイトもほとんど利用しない。直接デベロッパーのホームページから物件を選択している。
コミュニティサイトは、当事者しか知りえない情報が書かれていることもあり、正直、閲覧するのが恐い。正義感による内部告発もあるが、業界では販売会社による競合排他の投稿や、ステルスマーケティング目的など、利害関係者による意図的な投稿も中には存在し、そういった問題投稿を確認次第、削除など適切な措置をとっているという。
早速、新しいブログコンテンツ「スムログ」を読んでみた。
驚いたのは、スムログに登場しているブロガーの物件見学数だ。覆面座談会なるものの中で数人の方がほとんど年間数十物件を見学していると話している。これはとても大事なことで、記者は現場を見ない〝記者〟を記者だとは思っていない。
もう一つ、これは称賛に価すると思ったのだが、記者のようにネガティブ情報などは自主規制しまいがちなのに対して、デベロッパーにおもねることなく自由な立場で書かれている方も多いということだ。
何人かのブログも読んだので紹介する。
嬉しかったのは「モモレジ」さんの「モモレジのスムログテーマは『間取り』ではなくデザイン!」で、この方は記者と同様、マンションのデザイン・外構を重視されているようで、モリモトの物件を褒めている。ブロガー仲間ではよく知られている方のようだ。
「マン天」さんもすごい方だ。「マン天からのご挨拶」の中で「マンションアナリスト。11年間で5,000枚のマンション・チラシを“読破”したマンション・チラシ研究家。一級建築士」と自らを紹介している。マンションの何が大事かといえば物件概要だ。これを読みこなせるようになれば一流だ。記者はかつてマンション・戸建て合わせて年間3,000件くらいの物件概要を読んでいた。概要を読むと、ほとんどその物件の売れ行きが予測できた。
「はるぶー」さんは、以前、記者の記事について言及されていたので名前だけは知っていた。実際に部屋に1万円札を並べ、「1万円札の坪単価は272万円」と題するブログを書かれていた。「坪単価」が頭から離れない記者はドキリとした。
「マンションマニア」さんの「マンションマニアの活動日誌(ブログ)」では、マンションの概要をしっかり書かれていた。これもとても重要なことだと思う。記者も用途地域や容積率は書くべきだとも思っている。
「DJあかい」さんは、「マンションコミュニティの歩き方」の中で「掲示板」について「掲示板は掲示板。匿名さんは匿名さん。あなたはあなたなわけです。買わない(かもしれない)人の意見に心を惑わされるのではなく、自己との対話、あるいは伴侶との対話に焦点を絞って、それでOKならOKじゃないかと思います。『ひき返せ!』『ひき返したほうがいいぞ!』の合唱に負けず、孤独に耐えて突き進んだ先でなければ、得られないものもあるでしょうから」と書かれている。なるほどと思った。
山下氏によれば、この分野でも「レッドオーシャンに突入しつつある」とのことであるが、間違いなく消費者の物件選考に少なからず影響を与えると思う。
デベロッパーはメディア向けのマンション発表会、見学会を行う際に、こうしたブロガーもぜひ加えていただきたい。実際に自分が見たにもかかわらず、発表資料以上のことしか書かず、商品紹介でもっとも肝心な「価格」についてほとんど言及しないような記者よりはるかに物件告知の効果がある。