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2016/06/29(水) 00:00

「心に響いた『女性登用は経営トップの決意次第』」 輸入住宅協議会・岡田会長

投稿者:  牧田司

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岡田氏(左)とクレール・ドゥロンジエ女史

 輸入住宅産業協会は6月28日、通常総会後に「女性が活躍するカナダ・ケベック州 その女性の働き方とライフスタイル」と題するカナダ・ケベック州政府在日事務所代表のクレール・ドゥロンジエ女史の特別講演会を行った。同女史が「労働市場への女性参加を進めるのは経営トップの信念・決意が必要」と何度も強調したのに対し、同協議会・岡田正人会長(スウェーデンハウス社長)は、「経営者の意思がもっとも重要という話が心に一番響いた。経営者の一人として反省もしている」と講演会後の懇親会で語った。

◇       ◆     ◇

 同女史の言葉を待つまでもなく、わが国でも女性登用のカギは経営トップの意思にあるといわれる。その通りだと思う。ボトムアップでは「女性活躍」は実現しないと思う。スウェーデンハウスが率先して男女差のない労働環境を整えていただきたい。

 同女史によると、カナダでは選出議員のうち26%が女性議員で、閣僚のうち30%の大臣が女性であり、ケベック州の公務員の上級管理職・幹部のうち44%が女性だという。

 建設業界でも、アクションプログラムを策定して、2018年の全体目標として3%を女性にする目標を掲げ、すでに3%存在している断熱工、タイル工、左官、塗装工、測量工などは目標を10%に引き上げるという。

目標達成には、仕事と家庭の両立のための保育サービスなどのサポートサービスが重要で、職場復帰の可能な母親の育児休暇と父親の育児休暇が欠かせないとした。父親の育児休暇取得率は1995年にはわずか4%だったのが、2012年には78%の新米パパが平均4.4週間の育児休暇を取得したという。

同女史は最後に、ゴールドマンサックスのキャティ・マツイ氏の次の言葉を引用した。

「日本は現在のモデルで驚異的な成功を収めた。世界第3位の経済大国になったが、驚くべきことは人口の半分の活躍なしにそれを成し遂げたことだ。もし全人口が活躍していたら、日本は今日どんな姿になっていたか想像してみてほしい」(これは正確ではない。わが国伝統の家父長制が支えたのであり、糟糠の妻が企業戦士を送り出したのだ⇒記者注)

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町田氏(左)とクレール・ドゥロンジエ女史

◇       ◆     ◇

 記者は最近、このところの地価とマンション価格の上昇に頭を痛めている。これまでも何度も書いてきたが、4人家族の平均的なファミリーが理想的とする30坪のマンションを購入するとすれば、間違いなく価格は最低でも4,500万円から5,000万円、年収にして10倍はする。東京23区ではこの価格帯は絶望的だ。都心勤務だと1時間では無理ではないか。

 仮にそれが取得できたとして、勤務時間が9時5時の会社では子どもを保育園に預けるのも大変だ。女性、あるいは夫は職場を変え、自宅近くの条件が悪いパート・アルバイトに転職するしか選択肢はなくなってくる。

 かくして住宅難民は郊外居住を迫られ、仕事を優先すれば子どもが産めなくなる-そんな社会に限りなく突き進んでいるように思えてならない。

 この話を同女史に伝えたら、ケベック州では「わたしが子ども二人を育てたときの保育園は朝の6時から夕方の6時までだった。今はもっと拡充されているはず。格差の拡大はケベック州でも同じ」と話した。

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特別講演会(セルリアンタワー東急ホテルで)

◇       ◆     ◇

 特別講演会で進行係を務めた同協議会・町田ひろ子副会長がスピーチの中で、「わたしは若いころ、美貌で勝負するか、男と一緒に戦えるかと言われたことがある。わたしは両方ともできなかった」と話し、会場を沸かせたが、記者はドキリとさせられた。基本的には、町田氏が若かったころと今とそんなに変わっていないのではないかと考えている。

 町田氏は「この特別講演会を男性の色の強いこの業界の意識を変える機会にしましょう。住宅リフォーム市場が女性の活躍できる舞台となるよう、輸入住宅の枠を超えて新しい時代を切り開きましょう」と呼び掛けた。

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