RBA OFFICIAL
 
2016/07/30(土) 00:00

ポラスグループ 埼玉高速沿線でマンション強化 200戸の「川口戸塚」分譲開始

投稿者:  牧田司

img01.jpg
「ルピアコート川口戸塚」完成予想図

 ポラスグループの中央住宅が7月30日、同社の最大規模マンション「ルピアコート川口戸塚」の分譲を開始した。埼玉高速鉄道戸塚安行駅から徒歩2分の全200戸で、キッチンとダイニングカウンターを一体にした「ピアキッチン」を約4割の住戸に標準装備しており、坪単価158万円も割安感があるマンションだ。

 物件は、埼玉高速鉄道戸塚安行駅から徒歩2分、埼玉県川口市石神西立野土地区画整理事業地内に位置する8階建て全200戸。第1期(70戸)の専有面積は61.21~89.64㎡、価格は2,590万~4,690万円(最多価格帯3,400万円台)、坪単価は158万円。竣工予定は平成29年1月下旬。施工は川村工営。販売代理は東京中央建物。

 現地は、区画整理事業が進行中のエリアの一角にあり、4方道路に囲まれ、敷地東側に公園が整備される予定。

 建物はコの字型で、南側の住棟は3つに分節されており、共用施設としてパーティルーム、ゲストルーム、キッズルーム、スタディルームなどが設置される。

 住戸の商品企画では、二重床・二重天井、キッチンとダイニングカウンターが一体となった「ピアキッチン」が全住戸の4割を占め、リビングと続き間を窓で結んだ「見えroom」、壁を傷つけずに何でも飾れる「かざるウォール」の提案を行っている。食洗機、バックカウンター、吊戸棚も標準装備。ワイドスパンタイプも多い。

 29日に行われたメディア向け見学会に臨んだ同社取締役事業部長・金児正治氏は、「この沿線はまだまだ伸びしろがある。今春、浦和美園で分譲開始した一戸建て91戸はすでに65戸が制約済みで急ピッチで売れている。都心に乗り入れている割には、戸建てもマンションも価格は手に届くエリア。マンションは、戸建てメーカーとして他のデベロッパーとは一線を画す、戸建ての木質感などを具現化した商品企画が評価されている。来年度には売上100億円に届くはずだ。戸建ての開発も積極的に行っていく」と語った。

 第1期70戸のうちすでに52件が成約見込みであることも明らかにした。

◇       ◆     ◇

 〝価格に見合う商品企画〟マンションだと思う。「ピアキッチン」の詳細は省くが、これは文句なしにいい。収納力があるバックカウンター・吊戸棚も標準装備だ。

 60~70㎡台の住戸は6.0~6.1mのショートスパン住戸がないわけではないが、70㎡台後半以降の住戸は6.4m以上のワイドスパンとなっており、間取りも出窓付きなど24タイプと豊富だ。

 問題は競合物件が少なくないことだ。同社は同じ沿線の「ルピアコート鳩ケ谷本町」(146戸)も分譲しており、浦和美園には全697戸の大規模物件も継続して分譲されている。これだけで1,000戸以上だ。勝敗のカギは、駅近でピアキッチンなどの商品企画、単価の割安感をどうアピールできるかだ。

slide1.jpg
ピアキッチン

◇       ◆     ◇

 建築物の絶対高さ規制についてこれまで再三批判してきたが、このマンションでも訳が分からない規制がかかっているので少し触れたい。

 現地は建築物の高さ規制が23mに定められており、同社は8階建てとするために約75㎝建物を地下化している。1フロアを3mとすると7階建てしか建てられないからだ。当然、その分は価格に転嫁されることになる。

 川口市の景観計画では「現在の良好な景観や市街地環境の維持、保全と好ましくない景観整序のため、市全域を対象に、建築物の建築等の行為制限を定める景観形成基準等の運用・啓発を行います」とある。

 しかし、「良好な景観」とは「好ましくない景観」とは何かについては具体的に示されていない。探すとすれば、「無秩序な広告物や路上の放置自転車などまち並みに調和しない景観や、地域の特性にそぐわない景観」くらいだ(放置自転車がどうして景観なのかはよくわからない。ほとんどなくなったキューポラは良好なのか好ましくないのか)。

 ところが、景観形成基準では突如として建築物の絶対高さ規制や外壁のカラーが明示されている。高さ規制では、用途地域に応じて10m、16m、22m、38m、45mなどだ(例外として100mもある)。

 この具体的な数値に対する合理的な説明は何も示されていない。一般的な建築物の1フロアを3mと仮定して、その倍数ならまだ少しは理解できるのだが、市の数値は10mを基準とすると+6m、+12m、+18mまでは3、または6の倍数となっており、45mは3×15(階)とも取れるようになっている。

 そして、今回のマンションのエリアの高さ規制は23m(どうしてこの数値かはわからない)だそうだ。

 こうなるともう支離滅裂だ。「周辺景観との調和」という大義名分さえあればどのような数値でもいいということになる。居住性能をどう引き上げるかの視点がまったくない。「居住環境」を犠牲にした「良好な景観」があってはならない。23mを24mに引き上げればどれほどの景観の悪化をもたらすか、行政は説明すべきだ。

 記者は、建蔽率・容積率のほかに道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限、日影規制があるのだから、建築物の絶対高さ規制は必要ないと思うし、むしろ公開空地を確保しているものや、居住性を高めるために1層の高さを高くしたマンションなどはその分だけ容積率の緩和を行うべきだと思う。そのほうが「良好な住環境」が確保される。建築物が低ければ景観がよくなるわけでは絶対ない。高さが同じであれば調和がとれているわけでもない。

slide12.jpg
モデルルーム

有孔ボード6 5603.jpg
有孔ボード

 

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン