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2016/07/30(土) 00:00

今年のデザイントレンド キーワードは〝Hybrid Chic〟 三井デザインテック

投稿者:  牧田司

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Paora Lenti(左)とB&BItalia

 三井デザインテックが7月28日、今年4月に開催されたミラノサローネ国際家具見本市の分析と家具や空間デザインの最新トレンドをまとめた「Design Trend Report 2016」を発表した。同社デザインラボラトリー所長・見月伸一氏が次のようにレポートしている。

 今年のミラノサローネは、昨年からの落ち着いた色調は継続しつつ、プラムパープルやディープグリーンなどエレガントでクラシカルな深みのあるアクセントカラーや、くすんだパステルカラーなどが登場し、全体的に色の存在感が増した印象です。また、反対色の組み合わせやブラックとメタリックゴールドの組み合わせなど、色の極端な対比が特徴的なバイカラー表現も出現し、遊び心のある提案が目立ってきています。

 形状としては、華奢なフレームデザインのフォルムや、緩さを感じさせるエッジレスで自然な表現で“軽量感・抜け感”を与えるデザインが多く見られました。ライフスタイルの多様化に対応したアンバランスな形状のソファなど、ゆるさを感じリラックスできるアイテムが増えてきています。

 また素材に関しては、最新の技術と伝統的な技法の2方向からのアプローチによる加工が目立ち、オーガニックなウッドと人工的な素材の掛け合わせなど異素材のバイブリッドな表現が増加しています。

 スタイリングは、落ち着きのある色合いでエレガントかつクラシカルなテイストと今の時代感が共存する「ニュークラシカルスタイル」に注目が集まっています。

 なお、世界的に都市化や核家族化が進み、ライフスタイル空間が狭くなっている傾向にあり、リビング、ベッドルーム、ダイニングスペース等を小さなひとつながりのワンルームで構成した空間提案が登場。限られた空間でラグジュアリーに暮らすインテリアデザインが求められてくる傾向は今後も続く見込みです。

 ミラノサローネ全体から見える様々なトレンドを分析した結果、新しいデザインの潮流は、「ハイブリッド感」をキーワードに語ることができます。

 情報過多なデジタル環境、世界的なテロの脅威に自然災害の危機感など、ストレスで溢れた現代社会だからこそ“自分の身の回りには癒しやリラックスしたライフスタイルを”と考える動きが高まっています。その中でも、近年ファッションで語られる事の多い、エフォートレススタイルの様な、気張らないけどラフになり過ぎない「きちんと感」と「抜け感」を両立したスタイルがインテリアデザインにおいてもトレンドとなっています。

 また、バイカラー表現や異素材のミックス、ニュークラシカルな空間スタイルといった特徴も、それぞれ「対比表現でありながら洗練されている」デザインとして際立っています。

 上記のような傾向から読み取れる2016年のインテリアトレンドにおけるキーワードは、「Hybrid Chic~対比的なアプローチによる新たな調和表現~」であり、異なる要素の高次元でのバランスや調和をテーマとしたインテリアが多く登場してくると思われます。

 

 

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