菅野健一「O-JIZOH=SAN」(絞り、タペストリー)※写真はうまく映っていないが最高の芸術作品
東京藝術大学 美術学部工芸科染織研究室は7月29日(金)~8月30日(火)、スウェーデンハウス市川モデルハウスで「第3回 東京藝術大学染織専攻 -夏のしつらえ-」展を開催する。
第3回目となる今回の展覧会は、カリキュラムの一環として取り組むもので、芸術作品はギャラリー空間だけでなく暮らしの中にあるべきという考えのもと、季節によって空間をしつらえることをテーマに展示するもの。
織り機はスウェーデン・グリモクラ社を使用、展覧会はスウェーデン大使館の後援と、スウェーデンハウスの協力を得ている。
29日に行われたアーティストトークで同研究室・菅野健一教授は「3年生にとって初めての展示で、知恵を絞りだした作品ばかり。実際の住空間で展示することは社会に出て役立つはずで、大きな勉強になる」と語った。
また、スウェーデンハウス取締役千葉支店長・鈴木雅徳氏は「梅雨が明けたばかりこの時期に、当社の高気密・高断熱の住空間に清々しい皆さんの作品を展示できることはいいマッチング」と挨拶した。
菅野氏(左)と鈴木氏
以下に主な作品を紹介します。そもそも繊細な布に染料で染めた造形美を素人の記者がカメラに収めて紹介するのは無理があることをご了承ください。※は記者の感想
木下はるか「jeiiy fish parade」(スクリーン捺染、カーテン)※このまま商品にしたい
松尾萌「shuwashuwa」(スクリーン捺染」(クッション、ベッドライナー)※記者は理解できないが、寝室に強烈な赤をちりばめる感性はすごい。青はラムネだそうだ
金田真咲「初夏の漂い 夏の昼寝」(スクリーン捺染、パネル)※記者のいち押し作品
Alexina Thielemans「don’t be inconspicuous」(スクリーン捺染、カーテン)※ベルギーの留学生で、ステンドグラスをイメージしたそうだ。日本人の感性にはない作品
桂川美帆「in the grove in the rain いつもの-夜-」(ろうけつ染、パネル)※3つのパネル作品の一つ。伝統技法を継承してほしい
鈴木理沙「夏の光」(スクリーン捺染、フロアランプ)※他の灯りを消したらどのような光を発するのか興味深い
長谷川博子「エブリシングイズオーライ キラキラハッピーオーラ」(スクリーン捺染、タペストリー)※出身の三重の夫婦岩と江國香織の小説の一節を取り込んでいる
出居麻美「色とりどり、色とりどりⅠ、色とりどりⅡ」(平織り、型染め、ミシンワーク)※様々な素材を縦と横に織り込んだ美しい作品。出居氏は同研究室講師
島方皓平「なつがくればおもひだす」(スクリーン捺染、カーテン)※同研究室には男性は少ないそうだ。欲を言えば男らしい作品で他を圧倒してほしかった
藝大×スウェーデンハウス クリスマス(ユール)染織専攻作品展12/25まで(2015/12/15)