明和地所が分譲を開始した「クリオ杉並高井戸」を見学した。全26戸の小規模マンションだが、同社のデザインに進化のあとがうかがえ、なかなかの好物件だ。
物件は、京王井の頭線高井戸駅から徒歩8分、杉並区高井戸東3丁目に位置する7階建て全26戸。第1期(6戸)の専有面積は47.21~~74.45㎡、価格は4,449.8万~6,706.4万円、坪単価は305万円。竣工予定は平成29年9月下旬。設計はアーキプラン。施工は南海辰村建設。
現地は近隣商業立地で2面接道。建物はモノトーンを基調にアースカラーのタイル、乳白色のガラス手すりを採用したお洒落な外観が特徴。エントランスホールにはアーティスト吉津信一氏による波紋をモチーフにしたアートが設置される。
住戸は1フロア2~5戸。内廊下方式を採用した南東、南西向き。26戸のうち18戸が角住戸で、2重床・2重天井、食洗機、ミストサウナが標準装備。キッチン天板はフィオレストーンかステンレスで、スクエアシンクを採用。好みに合わせて設備仕様が選べる同社の新しいセレクトシステム「conomi(コノミ)」も採用されている。
エントランスホール
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同社に限ったことではないが、大手デベロッパーの市場寡占率がどんどん高まっている現在、駅に近い大規模用地などの取得合戦で中堅デベロッパーはまず勝てない。大手と互角に戦うためにはトータルな商品企画で差別化する以外に道はない。一言でいえば、いかに〝素敵〟をたくさん盛り込むかだ。
マンション分譲単価は準都心部でも坪300万円を軒並み突破してきた。ユーザーは当然、価格に見合う質の高いものを期待する。地価や建築費をそのまま価格にオンして売れる市場ではない。
その点、このマンションのデザイン、その他の商品企画は水準以上だと思う。モノトーンを基調にした外観デザインが美しい。
モデルルームのデザインもいい。ステンレスの天板もすっきりしていて美しいのだが、リビングに面したカウンタートップ下と側板にはオプションだが天然石調のタイルが使用されていた。
窓ガラスには旭硝子の防音効果と高遮熱効果を併せ持つ複層ガラス「マイミュート」が採用されているようだ。これはガラスに額縁のようなデザインが施されており美しい。
販売担当者によると、モデルルームは女性の評価が高いそうだが、それは〝素敵〟をたくさん盛り込んだためではないかと思う。