大成有楽不動産が8月末に分譲する「オーベルグランディオ三郷中央」のモデルルームを見学した。小学館の人気女性誌3誌「AneCan」「Oggi」「美的」が商品企画段階からプロデュースに参画した物件で、マンションギャラリーはよくできていた。
物件は、つくばエクスプレス三郷中央駅から徒歩10分、三郷市中央5丁目に位置する11階建て全252戸。専有面積は66.84~86.72㎡、予定価格は2,700万円台〜5,500万円台(最多価格帯3,500万円台)。竣工予定は平成30年2月上旬。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
「きれいにくらす」がメインコンセプトで、小学館人気女性誌3誌「AneCan」「Oggi」「美的」が商品企画段階からプロデュースに参画し、女性消費者目線に立ったきめ細やかな提案を盛り込んでいるのが特徴だ。
同社のオリジナル商品「オレンジ収納」「オレンジキッチン」「オレンジドレッサー」も標準装備されている。
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人気女性誌のことはさっぱりわからないので、そのコラボが成功するのかどうかもよくわからないが、モデルルームの出来はいい。
「オレンジ収納」「オレンジキッチン」「オレンジドレッサー」はユーザーの支持を得るはずだし、引き戸の多用、こもれるスペースを提案した子ども部屋、リビング・ダイニングのサイドに設置した「ビューティラボ」はいかにも女性が提案しそうなものだ。パウダールームもよくできている。
マンションギャラリーのカフェライブラリー、イベントスペース、フリードリンクコーナーなどゆったりレイアウトされており、好感が持てた。
ただ、課題も多い。記者は、三郷・サンケイグラウンドで行われるRBA野球大会の取材をずっと行っており、最寄駅の三郷中央駅は年間にして10回くらい降りる。分譲された主なマンションは全て取材も行っている。
いい街ではあるが、難点は駅周辺の商業施設の集積が進んでいないことだ。同じ沿線では「柏の葉キャンパス」「流山おおたかの森」に大きく後れを取っている。
マンションの分譲価格にもそれは反映されている。「柏の葉」や「おおたかの森」は駅近で坪200万円をはるかに突破しているのに、より都心に近い「三郷中央」は近く分譲されるマンションも含めて200万円以下だ。
だから、それだけ買いやすいマンションが多いということにもなり、デベロッパーもここに狙いを定めている。
同社のマンション以外にも、いま分譲中の名鉄不動産「メイツガーデン三郷中央」(169戸)、京阪電鉄不動産「ファインプラス三郷中央」(75戸)があり、これから分譲される物件も三交不動産「プレイス三郷中央」(104戸)、住友不動産「シティハウス三郷中央」(72戸)、さらに名鉄不動産が予定しているもう2棟327戸を合わせると全部で999戸にもなる。
これだけ一挙に分譲されて果たして大丈夫かという不安もあるが、デベロッパーは創意工夫して売るしかない。巷間に流れている〝郊外が売れない〟を覆してほしい。
「AneCan」がプロデュースしたオープンブックラウンジ(左)とキッズルーム
「Oggi」がプロデュースしたゲストルーム