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2016/08/29(月) 00:00

キッズデザイン賞 「東京ゆりかご幼稚園+里山教育」など優秀作品34点発表

投稿者:  牧田司

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「キッズデザイン賞」表彰式(アカデミーヒルズ49で)

 キッズデザイン協議会(会長:和田勇・積水ハウス会長兼CEO)は8月29日、「第10回キッズデザイン賞」全受賞作品297点の中から34点の優秀作品を選び発表した。

 内閣総理大臣賞を受賞したのは東京内野学園 東京ゆりかご幼稚園・渡辺治建築都市設計事務所・リズムデザイン=モヴ・三高設計による「東京ゆりかご幼稚園+里山教育」。東京・八王子市のJR八王子みなみ野駅からバス10分の敷地面積約2.5haの高台に約100mの長さの2階建て木造教育棟と子育て支援施設、延長保育室などがある棟がハの字に配置され、背後の森約40haを里山教育につなげていく活動が評価された。

 新設の東京都知事賞はアボードの硬質フェルトのキッズチェア「RK-Chair」が受賞した。

 住宅・不動産業界からは、積水ハウスの「安全配慮引手」が審査委員長特別賞を、富士住建の「たかが洗濯・されど洗濯~新家事空間『スマートランドリー』~」がキッズデザイン協議会会長賞奨励賞をそれぞれ受賞した。

 冒頭、挨拶した和田会長は、「発表させていただく作品は、キッズデザインの理念、考え方をあらわす指標ともいえるすばらしい作品であります。これらの受賞作品を広く社会に浸透させてゆくことで協議会の目指す『子どもたちの安全・安心の向上と、健やかな成長発達に役立つ、ものづくり・ことづくり』、即ち『キッズデザイン』に満ち溢れた社会の実現に少しでもつながることを期待しております」と語った。

 また、審査委員長のインダストリアルデザイナー・益田文和氏(オープンハウス代表取締役)は、「10年目を迎え、やっと賞の意義が伝わるようになってきた。この国は子どもを地域、社会、国が責任をもって育てるようにできているはずだが、子どもを大切にしていると思えないこともある。もっと世間に発信していきたい」と述べた。

 安倍晋三内閣総理大臣も「安倍政権は、未来を担う子どもたちへの投資を拡大し、すべての子どもが夢に向かって頑張ることができる社会を目指します」とのメッセージを寄せた。

◇       ◆     ◇

 「東京ゆりかご幼稚園」はすごい施設だ。敷地約2.5haに子どもの定員は約160人。長さ約100mの2階建て教育棟は木造だが、庇の跳ねだしが3.6mもある。

 設計を担当した渡辺治氏は設計事務所の紹介冊子で次のように指摘しているので紹介する。

 「(待機児は)社会の犠牲になるこどもを生じさせるシステムが変わらない限り歯止めがない」

 「待機児がいるから増設するというのは根本的な解決にならない」「時として、国や自治体は『公共の福祉』を『経済の活性化』に置き換えて政策をつくる。 

 私たちの事務所の地元で、廃校になったら福祉施設にするはずだった学校跡地に学校や病院、福祉施設などのあらゆる公共施設と、住宅も禁止するという都市計画が市によって描かれた。建てられるのは、商業・業務と一部の風俗だけだった。

 こんなことをしていたら、日本は本当にだめになってしまうと思い、私たちは地元の商店会、自治会とともに…解体しようとする行政に対して、校門前にまる2年間座り込んで抗議を行うしかなかった。事務所の所員一同、早朝から夕方まで、休日も、雪の日も雨の日も、台風の日も…」

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積水ハウスが受賞した「安全配慮引手」

 

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