インテリックスは9月2日、東証2部から1部へ6月9日付で指定変えされたことに伴う「感謝祭」を行い、不動産流通会社中心に関係者ら約960名が参加し祝った。
冒頭、挨拶した山本卓也社長は、「東証1部に上場できましたのも、ひとえに支えてくださいました皆さんのお陰。感謝申し上げます」と語った。
来賓として登壇した日本土地建物販売・古屋雅弘社長は、「1995年に創業され、リノベーションの風を初めて業界に吹き込まれた」と祝辞を述べた。
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同社がここまで急成長するとは夢にも思わなかった。渋谷に本社機能を移した2000年ころだったか、〝買い取り再販〟の同社が伸びているという噂を聞いて取材に行った。〝買い取り再販〟に対してはいいイメージを持っていなかった。バブル期に流行った〝マンション転がし〟の別名ではないかと。
そして、その後、「リノベックスマンション」を見学した。玄関ドア、サッシなどの共用部分は従前のままだが、室内をほとんど一新したモデルルームをみて「なかなかいい商品を供給する」と思った。それでも、「リフォームマンション」などを手掛ける会社もたくさんあり、どこまで伸びるか半信半疑だった。
その後の急伸ぶりについては省略するが、2005年にジャスダックに上場、2008年には国交省の「第2回超長期住宅先導的モデル事業」にも採択された。同社が中心になって2009年に立ち上げた自主規制団体「リノベーション住宅推進協議会」も「リノベーション」を一般化させる原動力となった。2015年のリノベーションマンションの販売戸数は15,680戸に達している。
単なる1業者の中古マンション再生の商品名でしかなかった〝リノベックス〟を〝リノベーション〟という一般名詞まで引き上げた功績は計り知れない。
山本社長は「プレーヤーが多すぎる」と競争が激化している現状をこう表現し、今後は不動産小口化商品「アセットシェアリング」など新規事業にも注力していくという。