東急不動産が9月中旬に分譲する大規模複合マンション「ブランズシティ世田谷中町」を見学した。敷地規模が約1万坪(シニア住宅含む)の第一種低層住居専用地域に位置する低層マンションで、期間70年の定期借地権付き。同社の記念碑的なマンションの一つになるのは間違いない。
物件は、東急田園都市線桜新町駅・用賀駅から徒歩15分、世田谷区中町五丁目の第一種低層住居専用地域に位置する4階建て6棟構成の全252戸。専有面積は70.58~90.98㎡、予定価格は5,800万円台~9,400万円台(最多価格帯6,600万円台)、坪単価は308万円。期間70年の定期借地権付き。竣工予定は2017年7月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。
現地は、NTT東日本の社宅跡地。敷地規模1万坪超の第一種低層住居専用地域に位置するマンションは、世田谷区内では過去に三井不動産他「パークシティ弦巻」しかなく今回は2件目。
街づくりコンセプトは〝LOVE &INNOVATION〟。米国・ポートランドの街を参考に世代が交流しあう循環型のモデルシティを目指す。東京都の「一般住宅を併設したサービス付き高齢者向け住宅整備事業」第一号案件でもある。
分譲マンションのほかに、シニア住宅「グランクレール世田谷中町」(サービス付き高齢者向け住宅シニアレジデンス176戸・ケアレジデンス75戸)と、グランクレールの敷地にはコミュニティサロン、カルチャールーム、介護事業所、認可保育園が併設される。コミュニティサロンは東京都市大学と連携して様々な空間設計・プログラム企画を行う。
「ブランズシティ世田谷中町」は全住棟が南東向き。各棟の間にはシーズンプロムナード、プライベートキッチンガーデン、キッズベース、ハーヴェストガーデンなどを整備。五感で感じる自然を演出し、みんなが集まる仕掛けを施す。用賀駅への直通専用シャトルバスも運行する。
住戸は70㎡台のファミリー向けが中心。御影石のカウンターキッチン・洗面カウンター、ミストサウナが標準装備。
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上野毛駅近くに設けられているゲストサロンに入ってすぐ、回転すしの小型コンベアに老若男女、様々な生活シーンを描いた工作物が流れているのが目に飛び込んできた。壁の棚には米国・ポートランドのグッズが並べられていた。
「循環型モデルシティ」のコンセプトが集約されており、なかなかいい仕掛けだと感心したら、その奥の模型もまたよくできていた。先週は約4.7haの第一種低層住居専用地域の野村不動産「プラウドシティ阿佐ヶ谷」を見学し、その圧倒的な緑に驚いた。今回はそれより規模は小さいが、1万坪に広がる4階建ての美しいスカイラインが表現されていた。
定期借地権付きというのもいい。プランはショートスパンの70㎡台の住戸も少なくはないが、だからこそ、普通のサラリーマン層でも容易ではないが何とか手が届く価格帯になるのではないか。所有権分譲だったら、坪単価は300万円台の後半になっていたはずだ。
見学しながらずっと同社の他の大規模マンションと比較して考えていた。最近ではタワー型の「みなとみらい」が出色だったが、中低層型のマンションでは2001年竣工の「東急ドエル イディオスあざみ野」(321戸)が真っ先に浮かんだ。確か大手銀行の社宅跡地だった。
今回はNTTの社宅跡地だ。シアターやパンフレットには「ブランズの集大成」とあったが、間違いなくそう言える。同社の記念碑的マンションの一つに加えたい。
東急不HDグループ 「世田谷中町プロジェクト」で東京都市大と産学連携(2016/8/9)